Blue Bookとは

こんにちは。JNLL受付から、今週もお送りいたします。
11月を迎え、今年もあと2か月か、とつぶやく時期ではないでしょうか。今年は台風など災害が多い年ですが、年末まで何事もなく皆様過ごせるよう願っています。

さて今週は、【Blue Book】についての記事をご紹介します。初めてその名を聞く方も多いかもしれません。留学前に、ぜひご一読を。

ブルーブックは文字通り約20行のページのあるのことで、大学、卒業生、時には高校生もテストの設問に解答するために使います。もっと具体的に言うと、ブルーブックは試験の種類のことを指していて、学生はこれらを使ってテストを完了することが求められています。学生は一般的にはブルーブックで、自由回答形式の質問、又は短いもので段落間から長ければエッセイの長さのものまで様々な解答から選ぶトピックのリストに解答する必要があります。

ブルーブックの基本データ

・ブルーブックは1920年代後半にインディアナポリスのバトラー大学で作られました。バトラーの色は青と白なので、青い表紙と白いページが特徴です。
・ブルーブックは1冊25セントほどの値段です。多くの場合、表紙は「ブルーブック:”Examination Book“」というタイトルが書かれ、学生の名前や教科、クラス、セクション、講師、日付を書くための空欄もあります。

ブルーブック試験:何をするものか?

ブルーブック試験は一般的に政治学、経済学、歴史学、英文学のような社会科学英語を含むコースで行われます。ブルーブックの試験は少々手強いです。教授はたいてい学生に解答して欲しい質問を含む1~2枚の紙を手渡します。場合によっては学生は2~4つの特定の質問を出されることがありますが、その他の場合は、教授が試験を3つのセクションに分け、各セクションに学生可能な2~3問の質問のリストが含まれています。

完全な、または部分的な単位を得られる解答には、学生は質問に明確且つ正確に書かれたパラグラフやエッセイを作成することを期待されています。ブルーブックの試験でアメリカ史や政治のクラスで出される質問の例としては次のようなものがあります。「この数十年、数世紀にわたってアメリカの政治思想であるジェファソニアンからハミルトニアンの思想の流れが与えた影響について説明しなさい。」

学生たちはまるでクラスの外でエッセイを書いているかのように、わかりやすく魅力的なイントロダクションと、十分参考にされた結論を証明するための事実を含む3~4段落のエッセイのボディ(主要部)、よく書かれた結論の段落という構成で作成されることを求められています。けれども、一部の大学院や専門学校では、ブルーブックの受験者は1回の試験の間にブルーブック全てを書き終えるかもしれないでしょう。

ブルーブックのテストはそのようなエッセイがいくつか含まれているので、学生は絶対にルーズリーフの束を持ち込むことはできません。そうするとペーパーがごちゃごちゃになったり、多くの学生たちが提出したペーパーが混同してしまったりするかもしれません。

ブルーブックを購入する

ブルーブックはたった25セントから1ドル、どこで購入するか次第でそれ以上の価格のこともあります。学生たちは一般的には大学の書店や文具店、大規模小売店で購入することができます。学生はほとんどの場合は自分自身のブルーブックを試験に持参します。高校レベルでない限りは教授が学生に手渡すことはめったにありません。

どれがブルーブックかは簡単にわかります。表紙に”Blue Book: Examination Book”とタイトルが書いてあり、学生の氏名、教科、クラス、セクション、講師と日付を書く欄もあります。セクションについては大学のクラスに複数のセクションがある場合もある為、完成した冊子が該当する正しい講師とクラスに確実に行き渡るようにする為にセクションナンバーを付けています。

なぜ大学はブルーブックを利用するのか?

ブルーブックの利用をやめようとしている大学もある一方で、ブルーブックは教授たちが筆記試験を実施する主要な方法となっています。試験のブルーブックは教授にとっては都合が良いです。確かに以前は学生は試験の為に授業に数枚のノートの用紙を持ってくることができました。しかし、そうすることで各教授が管理し追跡する数が増えてしまっていました。ブルーブックがあれば、教授は1人の学生に1冊の冊子だけ管理すればよいことになります。ルーズリーフの用紙だと、教授は1人の学生に3~4枚管理しなければならないかもしれません。

たとえ各学生がルーズリーフの用紙をホッチキス止めしたとしても、1,2ページは簡単に取れてしまって、教授は取れてしまったページがどの試験のものなのか数多くの試験の中から突き合わせるのに時間が取られてしまいます。また、ブルーブックには学生の名前、教科、クラス、セクション、講師と日付を記入するための空欄が表紙にあるので、教授は各冊子の同じ箇所に各学生の全ての関連情報を見ることが出来ます。

多くの学校は試験冊子にブルー以外の色を選択しています。「スミスカレッジのブルーブックは黄色、エクセターでは時折白となっています。10~15のその他の大学は色をローテーションさせて特徴を出しています。」とイェールニュースの「どうしてブルーブックは青いのか」という記事にSarah Marbergは書いています。

加えて、チャペルヒルのノースカロライナ大学のような学校はブルーブックから移行し、学生たちにPCタブレットを試験に持ち込むことを許可しているところもあります。しかし、これには学生が解答を探すためにウェブサイトを閲覧出来てしまうことを制限できるようにするための特別なソフトウェアの開発に莫大な費用をかけなければなりません。

試験冊子の歴史

科学者向けのウェブサイトのリサーチゲートが発表した論文によると、白紙の紐で結びつけられた試験冊子の始まりは少し大雑把なものです。ハーバードは1850年代初頭にいくつかのクラスに筆記試験を課し、1857年にはすべての学問の分野において筆記試験を必要とするようになりました。ハーバードは当時紙がまだ価格が高かった時代だったので、白紙の試験冊子を学生に渡していました。

試験冊子を使用するアイデアは他の大学へと広まって行きました。イェール大学が1865年に使用を開始し、1880年代中頃にはノートルダム大学が続いて使用し始めました。ほかの大学も試験冊子にシフトして行き、1900年までには試験冊子はアメリカ国内の高度な教育機関では広く使われるようになりました。

ブルーブックは青い試験冊子で、バージニア大学の雑誌によると特にインディアナポリスのバトラー大学で1920年代後半に始まったものだそうです。UVA出版によると、レッシュペーパー社によって初めて印刷され、それがバトラーの色が青と白だったのではっきりとした青色の表紙がつけられたそうです。大学はそれ以来この独特の青い色のブルーブックを使用して来ました。

記事:ThoughtCo. Fleming, Grace. “What Is a Blue Book?” https://www.thoughtco.com/blue-book-1856928 (accessed October 31, 2019).

(更新)JN Language Lab-H

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