なるべく早く留学して英語や国際感覚を身に着けたい。けれど、どのような留学が良いのか分からない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、イギリスにあるボーディングスクールについてご紹介します。
イギリスのボーディングスクール
ボーディングスクールとは、18歳までの生徒が学校での勉強と寮での生活を一緒に行う施設で、GCSEやGCSE-Aレベル、国際バカロレアなどの資格を取得することができます。イギリスの教育制度は以下のようになっています。
年齢 | 学校区分 |
4~5歳 | Pre-Preparatory School(私立、有償)もしくは公立学校(無償)に設置されている「レセプション」という学年で、9月の時点で4歳になる子供を預ける。 |
5~11歳 | 初等教育:日本の小学校に相当(1~6年生)
・Preparatory School(私立、有償)またはPrimary School(公立、無償) |
12~16歳 | 中等教育:日本の中学校に相当(7~11年生)
・Senior School(私立、有償)またはSecondary School(公立、無償) ・14歳(10年生)からGCSE(General Certificate of Secondary Education)という中等教育修了を証明する試験のコースが始まる。 |
17~18歳 | ・Sixth FormまたはSixth Form Tutorial Collegeで大学進学に必要なGCE-Aレベル(GCSEの上級資格)という試験に向けたコースを受ける。 |
日本とは教育を受ける年齢区分やシステムが違うため、留学を計画する際はその違いをよく確認しましょう。
また、イギリスでは、以下の2種類の学校があります。
・私立のボーディングスクール(PrivateまたはPublic Boarding School)
国内に487校あり、世界中から生徒を受け入れています。授業料、寮の費用は自己負担となります。
・公立のボーディングスクール
国内に38校あり、国内の生徒とEEA(欧州経済地域)からの生徒のみ受け入れているため、日本からは入学することができません。
これらのボーディングスクールに入学できる年齢は学校により異なりますが、早いところでは4歳から受け入れています。また基本的に在学できるのは18歳までとなっており、卒業後は大学に進学します。
イギリスの治安
留学する際、最も心配なのは、周辺の環境が安全なのかどうかではないでしょうか?イギリスでは日本と同様に、銃の保持が法律で禁じられているため、その点はアメリカなどと比べ安心できるかもしれません。また、ボーディングスクールの周辺は、郊外であったり、高級住宅地に囲まれていたりと危険にさらされる場面は比較的少ないかもしれません。
しかし、凶悪事件の発生率は日本よりも高く、スリ、置き引き、盗難、空き巣などは身近に起こる可能性も高いため注意が必要となるでしょう。特に自分の部屋であっても、外から見える場所にはパソコン、スマートフォン、財布などの貴重品を置かないようにしましょう。繁華街や空港など、人が多い場所ではスリなどはもちろん、タクシードライバーや空港職員に扮して行われる詐欺にも十分に気を付けましょう。
学校選びの基準の一例
どのボーディングスクールを受験するか選ぶ際、基準は人それぞれですが、一例として以下のような点が挙げられます。
・立地
・男女共学であるか、別学か
・どのような奨学金が提供されているか
・全体の学生数、留学生数はどのくらいの人数か
・英語補習授業(ESL)は提供されているか
・卒業後はどのような進路を選択しているか
・GCSEやAレベルの成績はどのくらいか
このような観点から、自分に合いそうな学校をいくつかリストアップし、さらによく調べてみましょう。
入学までの流れ
ボーディングスクールの受験は以下の流れで行われます。
1、出願書類提出
2、対面または電話などでの面接
3、筆記試験
4、合格発表
5、学費納入、ビザなどの準備
受験の際に必要な書類は、一般的に入学願書、成績証明書、推薦状などです。学校により異なるため、必ず各学校ごとに確認しましょう。
入学する際の英語力の条件は学校により様々ですが、一般的には中学生であれば英検2~準1級程度、高校生では英検準1級以上であることが望ましいでしょう。
ボーディングスクールのメリット・デメリット
イギリスのボーディングスクールで学ぶメリットとしてまず挙げられるのは、ボーディングスクールの発祥の地ということもあり、世界中の大学や企業、組織でもその実績が認められているということです。質の高い授業や設備、サポートを受けて生活し学ぶことによって、将来のキャリアに向け基礎作りを行うことが期待できるでしょう。世界中から生徒が集まるため、幼いころから国際感覚を身に着けることができるとも言われています。
また、早くから24時間英語に囲まれた環境に入ることで、さらなる英語の上達も見込めるでしょう。多くの学校で英語の補習授業を行っているため、友達や先生との会話で使う英語だけでなく、授業や受験に使うアカデミックな英語も着実に身に着けていけるのではないでしょうか。
一方、デメリットとして挙げられるのは留学にかかる高額な費用です。一般的に必要な費用の例をご紹介します。
<主な必要経費>
・航空券代:渡航、一時帰国など。年数回。
・留学期間の後見人(18歳未満の生徒必須)代:年間1,000~3,000ポンド(約14万~42万円)
・学費:中高生の場合、年間30,000~40,000ポンド(約420万~560万円)
・小旅行代:観光など。
・生活雑費:寮生活での必要なものの購入費など。
・送迎代:空港から学校や、ホームステイ先の往復など。
・ハーフタイム(学期の中間、1週間)や週末の休みのホームステイ代
・制服代
※1ポンド=140円(2019年11月15日時点)
これらは通う学校により大きく異なりますが、日本円で年間約650万円かかる、という事例もあるようです。奨学金の制度などもある場合がありますので、経済的に心配な方はよく調べてみるとよいでしょう。