【勉強とスポーツ】バスケットボールの数学:運動と勉強を結び付ける4つの方法

勉強と運動の組み合わせの重要な効果、最新研究で明らかに

●はじめに

Science Daily research briefによれば、コペンハーゲン大学の研究者は、バスケットボールと数学に着目し、運動と勉強を組み合わせることによる認知・学習における効果について研究しました。その結果、運動によってより良い学習成果を挙げることが分かりました。

●バスケットボールと数学を組み合わせた学習効果

研究者たちは、『Frontiers in Psychology』に寄稿された論文の中で以下のように述べました。「数学とバスケットボールを組み合わせた目的は、遊びをベースに、学習をより面白く、有意義で子どもが楽しめるようにすることです」。「特に、数学と組み合わせたバスケットボールは、練習をし、実際に体を動かしながら数学を学ぶことができます。そうすることで、児童の主体性や能力を引き出し、教室で学ぶ数学より、高いモチベーションで勉強できます。」

研究では、6か月間、コペンハーゲンの757人の小学生を対象に、半数には通常通り教室で数学を勉強させ、残りの半数にはバスケットボールの授業を受けながら数学を勉強させました。その結果、バスケットボールの授業の中で数学を学んだ児童は、6%数学の習得力が上がり、また、教室で数学を受ける子どもよりも16%もモチベーションが高かったことが分かりました。さらに、バスケと数学では、子どもの主体性が、座学で数学を受けた児童と比べ、14%も上がっていたことが判明しました。

このコペンハーゲン大学の研究結果を裏付ける研究は、他にもあります。ある研究によれば、情報が、言葉、視覚、運動感覚器官など複数の種類の刺激で伝達されることで、長期記憶に残りやすくより良い学習を可能にするといいます。
つまり、運動が学習に効果的に組み込まれることで、ある莫大な効果を生み出すのです。その効果とは、児童と先生が身体を使って学ぶことで、あるいは、学んだことを身体で表現することによって、教材の内容をより覚えやすくなるそうです。

●運動と学習を組み合わせる方法

運動と学習を組み合わせる方法のいくつかをご紹介します。

①言葉の意味を身体で表現

運動を学習に取り入れるといっても、本格的なスポーツをしなくてはいけないわけではありません。中西部州立大学の LindtとMillerによれば、言葉の意味や理解したことを身体で表現するだけでも、自分で表現する積極性を身に付け、学習内容を長期記憶に残すことができます。
例えば、子どもに感情について知ることができる本を読み聞かせした後、そこで学んだ新しい感情(例えば、「満足」「怒り」「勇気」など)を身体を使って表現させてみましょう。あるいは、その他の本でも、読み聞かせ中に先生が一文読むごとに足を踏み鳴らしてみましょう。足し算引き算の学習中は、和や差の分だけ前や後ろにジャンプさせてみるのも良いでしょう。

②英語と体育の組み合わせ

コロラド州のCasey Middle Schoolでは、英語の授業は「アクティブ」です。「これは、まさに言葉の学習を組み合わせた体育の授業です。」そう語るのは、その授業を担当するVal Wheeler先生です。同校では、教育者たちは、有酸素と無酸素運動を学習に取り入れることで、授業の集中力を高め、協力的になるという認識を持っています。「週3日間、45分の英語と体育を別々に行い、2日間はそれらを組み合わせた授業があります。」

例えば、サッカーコートを走ったり歩いたりしながら、読んでいる本について議論したり、ハイキングしながら研究題目についてブレインストーミングするなどの方法があります。
校長のAlison Boggsは以下のように説明します。「運動は全ての人の学びを助け、有益です。運動をしながら勉強をしたり、たくさん動いた後にも学ぶことができます。座って考えるだけが学びではありません。動いて、考えて、理解することができるのです。」

③ダンスで学ぶ数学

放課後の学習プログラムであるShine for Girlsでは、数学とダンスを組み合わせ、中学校の女子生徒の数学力と自身の向上を目指します。これは、女子生徒の理科系科目に対するステレオタイプをなくし、STEMを始めとした理科系分野により多くの女子生徒を進ませるための試みです。

例えば、「3回転して1回ジャンプするなどのダンスの場合、それを3x+y (x = 回転、y = ジャンプ)という数式で表すとします。この時、ダンスをする中で、ジャンプと回転を同時に行えば、それぞれを三回ずつ行うことと同じだと分かってきます。すると、このダンスが、3(x+y) = 3x + 3yと表せることに気付くのです。」この気付きの経験によって、数学でも上手くやっていけるという成功体験を得て、女子生徒の自身の向上が期待できるのです。

●対人関係能力育成におけるスポーツ

運動と学習の組み合わせが効果を発揮するのは、勉強だけではありません。学外でスポーツをすることで、それだけで価値ある成長の機会を提供します。学外のスポーツは、協調性が求められる環境で楽しく、社交性感情の育成を身に付けることができるのです。

例えば、Greater Green BayのBoys & Girls Clubというクラブでは、生徒は、フラッグフットボールやバレーボールネットを利用してボールを奪い合う運動を、対人関係能力養成の専門家として教育されたスタッフの指導のもと行います。そこでは、アイスブレーキングから始まり、目的の設定、戦略の考案を通じて相手に勝つための活動を仲間と一緒に共有します。

「クラブに来る子どもは、走ったり、遊んだりすることが主な目的です。しかし、私たちは、同時に感情を制限しない形で行います。」そう語るのは、このプログラムのエグゼクティブディレクターを務める Eric Vanden Heuvel氏です。「対人関係をはぐぐむスポーツを取り入れ、スタッフを教育することで、競争的で、感情のあふれた環境を提供しています。そうすることで、対人関係能力を養成する環境を育て、子どもたちを成功に導くことが出来ます。」

記事:Edutopia. “Basketball Mathematics—and 4 Other Ways to Mix Movement and Learning”
https://www.edutopia.org/article/basketball-mathematics-and-4-other-ways-mix-movement-and-learning

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