2022年度版:U.S.NEWSによる大学ランキングはどのように算出されているのか

○初めに
出願する大学を決めるのは大変なことです。そこで、今年で37周年目を迎えるU.S. News & World Reportの大学ランキングが助けとなるでしょう。最新版では、米国の学士授与機関1466校を対象に、17の指標に基づいて評価しています。このランキングは、より詳しく検討すべき教育機関の候補リストを作成するのに役立つと同時に、新たな選択肢を浮き彫りにすることもあるでしょう。
大学ランキングはこちらです。 https://jnll.co.jp/jnll_blog/2022/02/12/ranking-2/

更に詳しく見ていくと、U.S.Newsの大学紹介ページでは、ランキング指標に基づいて各校を評価し、ランキングの算出に使用された最新の統計情報(学生と教員の比率や、卒業生の連邦政府ローンの平均負債額など)も掲載しています。また、各校がU.S. Newsに直接報告した学校情報として、設置されている専攻分野や出願資格、学費、学資援助の方針、学生の属性、キャンパスライフについても掲載されています。また、各大学の個別プロフィールページには、学部別の卒業後の収入データや、卒業生から寄せられたレビューユーザーによる評価が掲載されています。
上記の大学ランキングや各校のプロフィールと併せて、the usnews.comの検索フィルターでは、選択した特徴に当てはまる学校を分析することができます。U.S. News College Compassの購読者のみがアクセス可能な The My Fit College Searchでは、カスタマイズされたランキングを作成することができ、さらに踏み込んだ分析を進められます。

まとめると、上述したランキングや大学名鑑、検索ツールは、インタビューや学校訪問、U.S. Newsの教育関連記事、自身の直感組み合わせることで、最適な学校を見つけるための有力な資料となるでしょう。

○今年度のランキングの背景
ランキング作成の方法は長年の研究の成果ではありますが、ユーザーからのフィードバック、学校や高等教育の専門家との議論、文研調査、独自データにおける傾向、新しいデータの入手可能性、高等教育会議での学部長や研究者との意見交換等をもとに、常に手法を改良しています。詳細な方法論に透明性を持たせている理由は、一部には、学校や研究者が利用できるようにするためですが、主な理由は、本ランキングが何を測定しているかを知っていることで、大学入学希望者にとってランキングがより一層有益なものになると考えているからです。

各ランキング要素の算出には、私たち独自の調査と信頼できる外部の情報源から得た、十分に吟味された学術データのみを使用しています。つまり、良くも悪くも、社会生活やスポーツ等の学業以外の要素は考慮していませんし、非科学的な世論調査も行っておりません。また、ビジネス上の利害関係のためにランキングが操作されているということもありません。

U.S.Newsは、2021年の春・夏に学校調査を行いました。当サイトで公開されている情報、とりわけ特に授業料や手数料などについては、2021-2022年度の情報を反映しているものがあります。しかし、ランキングの算定に使用できた最新のデータは、2020年秋以前のものです。特に、SAT/ACTのスコアは、コロナウイルスによる影響が出る前の2019年から2020年初頭にかけて行われたものが反映されています。しかしながら、パンデミックによる高等教育への影響を考慮し、SAT/ACTスコアの評価方法を若干変更するとともに、後述する他のランキング指標のいくつかに関連する過去データをそれまで以上に利用しました。

○ランキングの決定方法
まず、私達は、学校を10種のカテゴリーに分類し、それぞれのランキングを作成しました(カテゴリーの詳細と各ランキングはこちらからご確認下さい)。各ランキングでは、学問の質に関する17の指標に基づいて重み付け・標準化された値の合計が、各校の総合スコアや総合順位を決定しています。次に、各ランキング内でトップとなった学校の総合スコアを100と設定します。それ以外の学校の総合スコアは、トップを獲得した学校との差を反映し、0~99の範囲で表示されます。上位75%に入っていない学校については、個別の順位(例:102位)ではなく、下位25%の範囲(例:90位~120位)として表示されます。

○ランキングの要素
ランキングの基準や各要素の比重等についてのより詳しい情報は以下のページよりご確認下さい。
Ranking Criteria and Weights
Morse Code: Inside the College rankings

ランキング要素
NATIONAL UNIVERSITIES 及び NATIONAL LIBERAL ARTS COLLEGESランキングにおける指標比重(先方%表示)
REGIONAL UNIVERSITIES 及び REGIONAL COLLEGESランキングにおける指標比重(後方%表示)
GRADUATION AND RETENTION RATES(卒業率と在籍率) 22%  22%
AVERAGE SIX-YEAR GRADUATION RATE 6年以内卒業率(平均) 17.6%  17.6%
AVERAGE FIRST-YEAR STUDENT RETENTION RATE 1年生定着率(平均) 4.4%  4.4%
SOCIAL MOBILITY(社会的流動性) 5% 5%
PELL GRANT GRADUATION RATES ぺルグラント(連邦奨学金)受給学生の卒業率 2.5% 2.5%
PELLGRANT GRADUATION RATE PERFORMANCE ぺルグラント受給学生卒業率(非受給者比較)2.5%  2.5%
GRADUATION RATE PERFORMANCE 卒業率実績と予測卒業率の比較 8%  8%
UNDERGRADUATE ACADEMIC REPUTATION 学部の学問的評価 20% 20%
PEER ASSESSMENT SURVEY ピアアセスメント調査(相互評価) 20% 20%
FACULTY RESOURCES FOR 2020-2021 ACADEMIC YEAR 教員資源(2020-2021) 20% 20%
CLASS SIZE INDEX 授業サイズ 8% 8%
FACULTY COMPENSATION 教員報酬 7% 7%
PERCENT FACULTY WITH TERMINAL DEGREE IN THEIR FIELD 各担当分野での最終学位を持つ教員の割合 3% 3%
PERCENT FACULTY THAT IS FULL TIME フルタイム勤務の教員割合 1% 1%
STUDENT-FACULTY RATIO 学生―教員比率 1% 1%
STUDENT SELECTIVITY FOR THE FALL 2020 ENTERING CLASS 2020年秋入学の学生選択性 7% 7%
MATH AND EVIDENCE-BASED READING AND WRITING PORTIONS OF THE SAT AND THE COMPOSITE ACT SCORES
SATおよびACTスコア 5% 5%
HIGH SCHOOL CLASS STANDING IN TOP 10% 高校を上位10%以内の成績で卒業した学生の割合 2% 0%
HIGH SCHOOL CLASS STANDING IN TOP 25% 高校を上位25%以内の成績で卒業した学生の割合 0% 2%
ACCEPTANCE RATE 受け入れ率 0% 0%
FINANCIAL RESOURCES PER STUDENT 学生1人当たりの資金力 10% 10%
AVERAGE ALUMNI GIVING RATE 卒業生寄付率 3% 3%
GRADUATE INDEBTEDNESS 卒業生の借金 5% 5%
GRADUATE INDEBTEDNESS TOTAL 卒業生の累計負債額 3% 3%
GRADUATE INDEBTEDNESS PROPORTION WITH DEBT 連邦政府ローンを借りた卒業生の割合 2% 2%
TOTAL  100% 100%

○Outcomes(成果)(40%)
ランキングの40%は成果(outcomes)に基づいています。その中でも、平均卒業率と定着率が合わせて22%と、ランキングで最も大きな比重を占めています。これは、学部で学んだ恩恵を、雇用者(企業)や大学院から十分に享受するためには、学位取得が欠かせないためです。その他の成果指標は、後述するgraduation rate performance(卒業率÷予測卒業率)(8%)、social mobility(社会的流動性)(5%)、graduate indebtedness(卒業生の借金)(5%)となっています。

Graduation and retention rates(卒業率と在籍率):これには以下の2つの要素があります。
・6年以内に学位を取得した2011年秋学期~2014年入学生の割合についての4年間移動平均(17.6%)。
・入学初年度者(2016年秋~2019年秋)のうち、翌年の秋学期に戻ってきた1年生割合についての4年間移動平均(4.4%)。

Graduation rate performance: 私たちは、各大学の実際の6年以内卒業率と、2014年秋入学の学生に対する予測値(6年卒業率)を比較しました。予測率は、入学試験に関するデータ、ぺルグラントを授与された学部生の割合、学校の財源、連邦政府からの学資援助を受けた第一世代大学生(=両親が大学学位を持っていない大学生)の割合、国立大学の数学/科学オリエンテーションなど、複数の要素から設計したものです。各校の実際の卒業率を予測卒業率で割って、2年間の平均値を算出し、ランキングに使用しました。

Social mobility: この指標は、ぺルグラント(連邦奨学金)受給生を学校がどの程度卒業させたのかを示すものです。この学資補助金を受け取っている学生は、一般的には世帯収入が年間5万ドル以下の家庭出身者で、ほとんどの場合、世帯収入合計が2万ドル以下の学生に支給されています。U.S.NEWSは、ランク付けされたすべての学校を対象とした社会的流動性ランキングを、3年連続で発表しました。社会的流動性ランキングは、ぺルグラント受給学生の卒業率を評価する以下の2つのランキング要素を統合して算出されています。

Pell Grant graduation rates(ぺルグラント受給学生の卒業率):ぺルグラント受給学生の6年卒業率を取り入れたもので、ぺルグラント受給学生の比率が高い学校ほど、評価が高くなるように調整されています。これは、2年間の移動平均として算出されています。
・Pell Grant graduation rate performance:これは、各校のぺルグラント受給学生の6年卒業率と非受給学生の6年卒業率を比較するもので、前者を後者で割り、ぺルグラント受給学生比率が高い学校ほどより高く評価されるように調整して算出しています。ぺルグラント受給学生の卒業率が非受給学生の卒業率と同程度であればあるほど、その学校の評価スコアは高くなります。これも、2年間の移動平均として算出されています。

2年連続で卒業生の負債額がランキングに含まれています。これは、U.S.Newsが2020年と2021年の春夏に資金援助調査から収集したデータに基づいています。2つの指標は以下の通りです。

Graduate indebtedness(卒業生の負債):大学の値ごろ感と卒業後の学位の価値
(ローンを支払える十分な収入を得られるかどうかということ)は、入学希望者やその家族にとって最大の関心事です。そのため、私達は卒業生の負債に関する2つの指標の合計を、各校の全体スコアの5%に値すると評価しました。

ランキング要素の一つであるGraduate indebtedness total(3%)は、各校の2019年と2020年の学士号取得者の連邦政府ローン累計負債額平均を、ランキング対象校の負債額の中央値と比較し、評価するものです。

また、Graduate indebtedness portion(2%)は、2019年と2020年の学士号取得者のうち、連邦政府ローンを借りていた卒業生の割合を示しています。このランキング要素は、学校が、学部生(上述のgraduate indebtedness totalの対象には含まれない)の経済的ニーズをローン無しでどの程度十分に満たしているかを評価するものです。各校の、ローンを借りた学生比率と、ランキング対象校における中央値を比較することで評価します。

上記の2つのランキング要因にはどちらも、入学時に借り入れを行った学生の連邦政府ローンと連帯保証人として署名されたローンを含んでいます。転入生や、他の機関で借りたお金、親のローン、学士号を取得せずに卒業した学生は含まれていません。
2022年度版では、新たに2020年と2021年のランキングのスコアを平均することで、年ごとの変動を軽減しています。

Faculty Resources(20%):教員資源
調査によれば、学生が質の高い講師に接する機会が多ければ多いほど、学生は授業に積極的に参加し、より多くのことを学び、講師に満足するようになります。U.S.Newsは2020-2021年度から、授業規模(8%)、教員給与(7%)、各分野において最高学位を持つ教員(3%)、学生と教員の比率(1%)、フルタイムで働く教員の割合(1%)という5つの要素を用いて、各校の教育に対する取り組みを評価しています。

授業規模は8%と、教員資源(Faculty Resources)に関する指標の中で最も大きな比重を占めています。2020年秋学期において少人数制授業の割合が高い学校ほど良いスコアとなります。これまで各校は、完全にオンラインで行われている授業は報告対象外とするように指示されていました。しかし、2020年秋学期に関しては、対面授業として設置されていた授業は、コロナウイルスの影響で一時的にオンラインで行われたとしても、報告に含むよう指示されました。また、パンデミックによる変則的な影響を軽減するために、2020年秋学期のデータに基づいた各校のスコアと、2019年秋学期のデータから算出したスコアの平均を取りました。U.S. News が、2年間の平均を用いてこのランキングの要素にスコア付けを行ったのは今回が初めてです。

教員給与はランキングの7%の比重を占めており、ここには、全米大学教授協会の定義に基づき、2020-2021年の助教授、准教授、専任教授のフルタイム教員平均給与を含んでいます。給与データは、アメリカ合衆国商務省経済分析局の地域物価平価指数を用いて、生活費の地域差を調整し、2020年12月に発表された地域物価指数に基づいて算出されました。教員の平均給与を2年間の平均として算出するように戻したのは、データ収集時にAAUP(全米大学教授協会)による最新の定義を使用した2度目のランキングだからです。

専門家の意見 (20%)
教育機関に関する評判が重要なのは、他ではなかなか得られないものがあるからです。例えば、
革新的な教育手法を採用していることで知られる教育機関は、この指標で特に高い評価を得られ
る可能性があります。一方で、認可を維持するのに苦労している学校は、低評価になるかもしれ
ません。
毎年、学長や学部長、入学局長など、一流の教育者たちが、同等の教育機関の教育の質を1(僅少)~5(最高)の5段階で評価します。私達は、その評価の2年間加重平均を算出しています。2022年度のBest College ランキングにおいては、2020年と2021年の両方のスコアが加味されています。
前回版からの変更点として、累積評価が10件未満のごく一部の学校(2022年度版では、リージョナルカレッジのみ)には、10件以上の評価を受けた学校の中での最低平均スコアと同等の値が割り当てられています。

U.S. Newsは2021年の春・夏に、学校に対してピア・アセスメント調査を実施し、最新のデータを収集しました。2021年に総合ランキングに関する質問紙が送付された4741校のうち、34.1%が回答し、2020年の回答率36.4%にわずかに及びませんでした。
ピア・アセスメント調査の評価内訳に関心のある学校は、U.S.NewsのAcademic Insightsを購読すると、回答者のタイプ別・地域別の評価内訳と、2900万件ものその他のデータ資料にアクセスすることができます。このプラットフォームは、ランキングをより掘り下げて調べ、各校を評価するのを手助けするものであり、大学のみを対象としています。

財源(10%)
学生一人当たりに対する支出が大きく潤沢であるということは、大学が様々なプログラムやサービスを提供できるということを示します。U.S.Newsは、2019年と2020年の会計年度における講義、研究、学生サービス、その他の関連教育費についての学生一人当たりに対する平均支出額を用いることで、各校の財源を測っています。支出額は、2018年秋学期と2019年秋学期の学部・大学院の正規およびパートタイムの在籍者のものとそれぞれ比較しました。

学生の優秀さ(7%)
選抜入学制度を採ることで、優秀で勤勉な学生が、学才のある仲間たちと学習環境を共にすることを可能にし、講師陣も厳密な授業を展開することができます。

共通テスト:U.S.News は、2020年秋にSATの数学と読解セクション(Evidence-Based reading and Writing)、およびACTを受験した全入学者の試験の平均スコアをランキングの要素としています。SATとACTのスコアの両方を、0-100の受験者パーセンタイル分布に変換し、それぞれの試験を提出した新規入学者の割合に基づいて加重しました。例えば、受験者の2/3がACTスコアを、1/3がSATのスコアを提出した学校の場合、ACTのスコアはSATのスコアの2倍の重みを持ってこのランキング要素に反映されます。

私達は、ランキング全体の中で、共通テストに5%の比重を置きました。
学校は、アスリート学生や留学生、マイノリティグループの学生、卒業生の子供(優先入学の対象)、特別措置による入学者、夏入学の学生などに関して、SATやACTのスコア報告をしていないことが時々あります。U.S.Newsは、全てのスコアを報告しなかった学校、あるいは全てのスコアが報告されたかどうかについての説明を拒否した学校に関して、ランキングモデルで使用しているSATとACTを合わせたパーセンタイル分布の値を15%減少しました。

2022年版の変更点―2020年秋入学者のうち、テストのスコアを提出した学生の合計割合が、全新規入学者の50%未満であった場合、ランキングで使用されているSAT/ACTの合計パーセンタイル分布値を15%差し引きました。前回までは、新規入学者の75%を基準としていました。この変更は、2019年までにテスト・オプショナル・ポリシー(出願時に共通試験のスコア提出を義務付けず、提出を選択制とする方針)が拡大していたことや、コロナウイルスが多くの学校の2020年秋学期の入学プロセスに影響を与えた事実を反映して行われました。

U.S.Newsは、SATやACTのスコアに関するデータが得られなかった「テスト・ブラインド」の学校(入学選抜時に共通試験のスコアを考慮しない学校)については、ランキングの中で最も低いテストスコアと同等のランキング値を割り当てることで、ランク付けを行いました。これらの学校は、SATやACTのスコアが入手でき、常にランキング対象となっているテスト・オプショナル入試やテスト・フレキシブル入試を採っている学校とは異なります。

高校のクラス順位:National UniversitiesとNational Liberal Arts Collegesにおいては、高校のクラス内で上位10%の成績を収めて卒業した一年生の割合を、
Regional Universities とRegional Collegesにおいては、高校で上位25%の成績を収めて卒業した学生の割合を算出しています。これは学校の総合スコアに2%寄与します。

卒業生の寄付(3%):これは、2018-2019年と2019-2020年の間に学校に寄付をした、学士号
を持つ存命の卒業生の平均割合です。寄付は、学生の満足度と卒業後のエンゲージメントを測り
ます。

〇ランク付けされた大学のグループ分け
有効な比較を行うために、私達は、学術的使命ごとに、学校を10の異なるランキングに分類し
ています。
National Universityでは、様々な学部課程のほか、修士課程や博士課程があり、教員の研究に力を入れたり、プロフェッショナル・プラクティス博士号と呼ばれる専門的で実践的な大学院学位を授与したりしています。
National Liberal Arts Collegesは、学部教育にほぼ特化しており、学位の50%以上を芸術と科学の分野で授与しています。
Regional Universitiesは、幅広い分野の学士課程を提供しており、修士課程プログラムも一部提供していますが、博士号課程はほとんどありません。私達はこれらの大学を、北部・南部・中西部・西部の4つの地理グループに分類し、ランク付けを行いました。
Regional Collegesは、学部教育に重点を置いていますが、リベラルアーツ分野の学位取得率は50%以下です。地域カレッジの中には、学士号だけでなく、2年生の準学士号を授与するところもあります。私たちはこれらの大学を、北部、南部、中西部、西部の4つの地域別グループに分けてランク付けしました。

U.S.Newsは、各校をランキングに掲載するにあたり、カーネギー高等教育機関分類(The Carnegie Classification of Institutions of Higher Education)の基本分類システムに厳密に基づいてカテゴリーの位置づけを行いました。なお、カーネギー分類は2018年アップデート版を3年連続で使用しています。米国教育省や多くの高等教育団体は、データの整理や分類などにカーネギーシステムを使用しています。つまり、カーネギー分類は、米国の高等教育において受け入れられている標準なのです。U.S. Newsが、1983年に最初の大学ランキングを発表して以来ずっと、カーネギー分類を使用しているのはそのためです。

〇情報源
U.S.Newsは、学校から直接データを収集することで、最新の情報を入手するとともに、第三者
の情報源からは得られない重要な情報を入手しています。今年は、ランク付けされた教育機関の85%が、2021年の春・夏に統計情報を返送しました。

質を保証するため、各校がU.S.Newsに報告したデータは、不正確な可能性のあるデータを検出するべく、学校が前年度に提出したデータとアルゴリズムで比較されました。回答者は、調査票を提出する前に、指摘されたデータを確認し、場合によっては修正し、検証することが求められました。また、データの正確性について大学幹部の署名を得るように指示されました。この最後のステップを拒否した学校は、usnews.comのU.S.Newsプロフィール欄に脚注が表示されますが、ランキングへの参加は可能です。

提出後、U.S.Newsは提出されたデータの信ぴょう性を(ランキングの)要素ごとに評価し、データの確認や修正をするよう、該当する学校に連絡を取りました。この過程では、各校のデータを、第三者機関のデータ(入手可能な場合)やランキング対象となった他の学校が提出したデータ、各校が過去に提出したデータと比較しました。回答を得られなかった学校や、データの正確性を確認できなかった学校に関しては、当該データが公表されず、計算に使用されていない可能性があります。

個々のランキング要素に関する質問に回答していなかったり、参加を拒否した学校については、米国教育省のカッレジ・スコアカード(College Scorecard)および米国教育統計センター(National Center for Education Statistics)から代替データ(財務状況、教職員数、学生と教員の比率、教員給与、SAT・ACTのスコア、ぺルグラント受給生と非受給生の卒業率、全体の卒業率と1年目留年率など)を入手しました。要するに、調査データが報告されていない場合、各校の総合スコアの約85%を占めるランキング指標には第三者機関のデータを使用することがあります。代替データが入手できない場合、学校はほとんどの場合、実際の価値よりも低い値を割り当てられました。いつものように、学校はU.S.Newsにデータを提出しなくても、ランキングにおいて明白なペナルティを負うことはありませんが、最新で完全なデータに基づいてスコア付けされることで、多くの場合、メリットがあります。

U.S.Newsの調査への回答を完全に拒否した学校は、無回答校としてプロフィール欄に脚注が表示されます。usnews.comでは、欠落しているデータは「N/A」と公表されますが、これは特定のデータが欠落しているということを意味するだけです。必ずしもN/Aが、当該ランキング要素において学校がどのようにスコア付けされたのかということや、学校が代替となる割り当て値を受け取ったのか、過去のデータに基づいて評価されたのかということを示しているわけではありません。

U.S.Newsは、合計で1850校以上のデータを収集しました。全ての学校のデータはusnews.comに掲載されていますが、ランク付けされているのは1466校です。

〇ランク付けされていない学校について
合計404校がランク外となっていますが、そのうち116校は、ベスト・カッレジの総合ランキングで使用されているカーネギー分類に入っています。ランク外となっているのは、以下のいずれかの理由によります。

・U.S.Newsがランキングのカテゴリーに含めていないカーネギー分類に属している学校。
これには、芸術、ビジネス、工学、健康、薬学、技術などの分野で高度な専門性をもつ
288校が含まれていますが、これに限定されるものではありません。
・学士号取得者の6年卒業率が確認できなかった学校;これは、正規(フルタイム)の1年生
がほとんどいない学校や、新しい教育機関に多いです。
・学部と大学院の合計在籍者数が200人未満の学校。
・U.S.Newsと学校の間でデータに関するやり取りが行われた結果、かつてランクインしていた学校がランク外になることがあります。

以前の版では、学校がランキングに入るためには、ピア・アセスメント指標の累積評価が10以
上必要でした。現在では、これらの学校がランキング内で割り当て値を受け取るようになった
ため、この要件は廃止されました。この変更により、2022年版では、2021年版に比べてランク
インした学校が約10校増えました。変更により生じた変化は以上です。

学士号を授与している米国の学校の中には、usnews.comにランク外として掲載されている学校とは異なり、Best Colleges名鑑から完全に除外されている学校があります。これらの学校は、地域認定を受けていないか、近年、入学者のいない大学院であるか、遠隔教育しか行っていない学校であるかのいずれかでした。しかし、後者の2つに属する教育機関の中には、2021年1月にU.S.NewsのBest Online Bachelor’s Programsランキングの一部としてランク付けされ、別途掲載された学校もあります。

〇その他の大学ランキング
U.S.Newsは、今年初めて、看護の学部プログラムについてのランキングを発表しました。このランキングは、2021年の春と夏に実施された看護専門のピア・アセスメント調査で得たデータを用いて作成されました。以下に、その他のランキングを一部、ご紹介します。

・U.S.Newsは、コンピューターサイエンスエンジニアリング(工学)、ビジネスにおける
分野別の学部プログラムランキングを今年も発表しました。
Best Value Schoolsランキングでは、総合ランキングに加え、支援を必要とする学生に提供されている経済的支援の金額についても学校を評価しています。
・連邦政府からHistorically Black colleges and universities(=黒人学生への大学教育を
優先目的として1964年以前に設立された大学)として指定されている学校に関心のある学生は、2022年版のHistorically Black Colleges and Universitiesランキングをご覧ください。
・イエローリボンプログラムの学資援助を受けられる学力の高い学校に関心のある退役軍人や
現役軍人の方は、Best Colleges for Veteransランキングをご覧ください。
A-Plus Schools for B Studentsは、高校の成績があまり芳しくない学生も頻繁に受け入れている、評価の高い学校のリストです。

〇今後も・・・
年間を通してusnews.comをチェックしてください。新しい情報を入手し、ベスト・カレッジ・ランキングに追加することがあります。また、これらのランキングから洞察を得ようとする際には(例えば、どの大であれば奨学金を獲得できるかということや、どこの大学が最も教授の注意をひきやすいかなど)、ランキングは答えではなくあくまで出発点を提供するものであるということを心に留めておいてください。

記事:https://www.usnews.com/education/best-colleges/articles/how-us-news-calculated-the-rankings

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