はじめに
基本的に、十分な休息をとり、答えがわかる問題を優先的に解き、休憩時間を活用することが重要であると専門家はいいます。
高校生にACTやSATのような統一試験を受けることは、それなりに難しいことです。
これらの大学入試は、多くの学生にとって慣れない環境であり、また彼らにとってストレスがたまりやすい時期である、と大学入試コンサルティング会社Green Apple College and Guidanceのコンサルタント、ジンジャー・フェイ氏は言います。
どれだけテスト対策をしていても、テスト当日は苦労するものです。
「まずはこれが大きな試練であると認識することが、受験生にとって助けになります。」とフェイ氏は言います。「例えばレースの始まりと同じように、ストレスが伴いますよね。瞬間的に多くのストレスがかかる、うまくいけばエネルギーを爆発させてベストを尽くすことに繋がりますが、一方で足を引っ張ることもあります。」
専門家によれば、SATのデジタル形式への移行は、多くの受験生がすでにデジタルデバイスに慣れ親しんでいることも考えると、より安心して受験できるはずといいますが、テストの準備をし、色々な視野を持つことは、受験者にとって大きな助けになります。ここでは、受験生がテスト当日に良い結果を出すための8つのヒントを紹介していきます。
模擬試験を受ける
試験当日の成功は入念な準備と、想定される問題を知っておくことにかかっています。そのための最良のツールのひとつが模擬テストだと専門家は言います。
特に、新しいデジタルSATを初めて受験する学生には、模擬テストは有益である、と統一テストの準備やその他の教育サービスを提供する教育会社カプランの、大学入学試験準備担当、ミシェル・ハント氏は話します。
受験者は、College BoardのBluebookアプリにログインして、試験当日の内容を反映したSATの模擬試験を受けることができます。これにより、試験当日のギャップを最小限に抑え、受験者は内蔵のグラフ電卓など、テスト中に使える特殊な機能に慣れることができると言います。
新しいデジタルSATは2時間14分、ACTは2時間55分です。数問の練習問題を解くこともやらないよりは良いですが、専門家は、最善の準備をするために、それぞれの模擬試験を受けること、ACTについては特に模擬試験を受けることを勧める、とハント氏は言います。
「ACTは全体的に長いことは知られていますが、個々のセクションでさえ非常に長いのです。」と彼女は言います。「精神的な持久力を持つことは、SATのための準備とは異なるタイプの準備が必要になります。」
心身ともに十分な休息をとる
前夜に詰め込んだり、勉強したりしたくなるかもしれませんが、専門家によれば、リラックスして、翌朝すっきりした状態でいられるように早く寝る方が良いとのことです。
「テスト前の3~4ヶ月間、苦手な学習分野に集中することで、不安要素はほとんど片付いているはずです。」入試コンサルティング会社H&C EducationのCEOで共同設立者のピエール・ユゲ氏は述べています。「受験生は、この段階でできるだけストレスレベルを下げることに集中すべきです。それは、”ストレスをためない “ことに積極的に集中するというよりは、むしろテストから気持ちを遠ざけるような活動に積極的に取り組むことが重要です。」
ユゲ氏によれば、前日の予習が生徒の得点に大きな影響を与えることはほとんどありません。その代わり、夜更かしをしないことは最優先に、散歩をしたり、本を読んだり、ビデオゲームをしたりすることを勧めています。
朝食をしっかりとる
適切な時間に寝れば、早起きしてしっかりと朝食を食べることができ、さらにその朝食はたんぱく質を含んでいるとなお良いでしょう、とフェイ氏は言います。
「テスト会場に行く前に食べて、消化の時間を確保しましょう。」と彼女は言います。「そうすれば、血液とエネルギーが胃で消費されずに、脳での活動に充てることができるでしょう。」
前夜に持ち物をまとめる
前日の夜に必要なものを用意して玄関に置いておくと、試験当日の朝の準備が楽になり、ストレスや不安感が軽減されるとフェイ氏は言います。
専門家が推奨する持ち物は、水、タンパク質や少量の糖分を含む菓子類、HBの鉛筆数本、小さな鉛筆削り、上着、充電済みか、電池が必要な場合は予備の電池が入っている電卓などです。
専門家はまた、受験票と写真付き身分証明書を忘れずに持っていくよう強調します。特別な配慮措置がある学生は、カレッジボードまたはACTからの便宜措置についての手紙をプリントアウトし、それも準備しておくように、とフェイ氏は言います。
「準備は自信をつけるのに役立ちます。」と彼女は言います。「ストレスフルな状況に直面したとき、”私は準備ができていない “ではなく、”私はすべてやった”と思いたいですよね。より自信を持ち、より準備万端で臨むことができれば、試験当日にどんなことでもできるようになるのです」。
一度に一問に集中する
専門家によると、各試験の時間制限の面だけで、多くの受験生がストレスを感じ、問題を急いで読んだり、十分に読まなかったり、誤解したりします。問題によっては、受験者をつまずかせるように作られていることもあるのです。
新しいSATでは、受験生が序盤の問題群でどのような結果を出すかによって、その後の問題の難易度が決まるため、受験者にさらなるストレスを与える可能性があります。
「序盤のミスは全体のスコアに大きく響きます。特に、ミスが多いと、スコアの上限が設定されたより簡単な第2モジュールに送られるからです。」と、教育コンサルティング会社アイビーワイズのマスターチューター、カール・フォアマン氏は言います。「つまり、注意深くやるか、速くやるか迷うなら、注意深くやるほうを選ぶべきということです。」
これに関して意識することは重要ですが、受験者は自分がどのレベルの問題に当てはまるかを気にする必要はない、と彼女は言います。彼女によれば、デジタル版では、穴埋め式ではなくボタンをクリックするため、受験者によってはテストを早く終わらせることができるかもしれないと言います。
「生徒たちは、自分で予想したり、自身の判断についてそれでよかったのかなど考えたりしたがるものです。」と彼女は話します。「目の前の画面に集中してください。その問題に集中し、次に進むのです。」
プレッシャーに押しつぶされそうになったら、呼吸法が役に立つかもしれないとフェイ氏は言います。息を吸って吐くことに意識を集中させるために、10から数えたり、とにかく数を数えたりすることで、神経を落ち着かせることができます。
わかる問題から解く
順番に問題を解かなければならないというルールはないので、時間が気になる場合は、難しい問題を飛ばして簡単な問題から解くことを専門家は勧めています。
「同じ1分間で5問解答できるのに、1問に5分かける価値はありません。」とフェイ氏は言います。「行き詰まったら、答えに時間をかけすぎるよりも先に進んだ方が良いです。数学の問題を解くのに1分以上かかったり、文中のコンマをどこに置くか考えるのに1分以上かかったりするようなら、先に進んだ方が得策でしょう。」
受験者は、難しい問題にぶつかったら、とりあえず一つ答えを選びつつも、その問題に戻るためのメモを取っておきましょう。デジタルSATには、受験者が問題にフラグを立てて、後回しにできる復習モジュールがあります。ACTでは手動で行う必要があります。
誤答してもペナルティはないので、専門家は受験者がわからない場合はとりあえず推測することを勧めています。戦略的には、わからない問題すべてに同じ文字の選択肢を回答するのが確率的に最適だとフェイ氏は言います。
休憩時間を活用する
SATでは、リーディングとライティングのセ クションと数学のセクションの間に10分間の休憩があり、ACTでは数学セクションの後に15分の休憩、選択制のライティングセクションの前にさらに5分の休憩があります。
受験者は、これらの休憩をエネルギー補給と気分転換のために使うべきです。休憩時間には、トイレに行ったり、足を伸ばしたり、菓子類を食べたりすることができます。
「ちょっとした糖分やタンパク質を摂ることで、集中力を持続させることができます。」と、教育テクノロジー企業Knovva Academyの大学進学カウンセリング・準備責任者であるエイミー・ハバード氏は言います。
テストの結果がすべてではないことを忘れずに
ACTとSATは大学出願の一部に過ぎません。ほとんどの大学においてテストは任意であり、また、カリフォルニア大学の全学部を含める一部の大学では、テストの点数を提出しても考慮しない「テスト・ブラインド」方式を採用しています。
フォアマン氏によれば、テストはあくまでもテストであり、成績が悪ければいつでも受け直すことができます。多くの学校では、受験者が「スーパースコア」を取ることを認めています。スーパースコアとは、今まで受けてきたテストの中で、各セクションの一番高かったスコアを組み合わせた全体スコアのことです。
「次回はもっといい点数が取れると思ってください。」とフォアマン氏は言います。「一回目はテストの様子を探るためのものです。ただベストを尽くしてください」。
出典:How to Perform Well on SAT, ACT Test Day
https://www.usnews.com/education/best-high-schools/articles/how-to-perform-well-on-sat-act-test-day
「中学生・高校生対象:米国大学進学対策 個別相談(一部国内大学国際系大学も含む)」
進学までの準備、レベル、必要な要素、試験、面接対策などについて1時間でご説明します。
【実施方法】ご来校(対面)・オンラインどちらでも可。
【対象】当校で受講検討の中学生・高校生またはその保護者様。
【費用】無料。
こちらよりお申込み可能です。