はじめに
米国の大学を検討している留学希望者のために、出願を始める際のヒントをいくつか紹介しましょう。
ネパール出身のシタシュマ・パラジュリさんは、留学準備者としての心構えをよく知っています。彼女はアメリカの大学に2度出願した経験があるためです。1度目は高校3年生の時で、2度目はギャップイヤーの後だったため、2回目は高校のカウンセラーによる助けは得られませんでした。
「自分の手で問題を解決するためTodoリストを作りました。また、願書を送り始める前に、すべての情報と書類を整えるようにしました。」2021年にバーモント州のベニントン・カレッジを卒業したパラジュリさんは言います。
米国の大学への出願を考えている留学希望者のために、準備の方法をいくつか紹介しましょう。
- 書類を整理する
- 自分に合った募集を見つけるために様々な方法を活用する
- 課外活動に励み、それを記録する
- 国際教育コンサルタントの利用を検討する
書類を整理しよう
成績証明書、推薦状、テストのスコアレポート(SATやACTといった入学共通テストやTOEFLやIELTSのような英語能力テストなど)、そして財務書類など、大学出願手続きに必要なすべての書類は事前に準備しておくべきだと専門家は言います。
ミズーリ州にあるリンデンウッド大学の国際入学・大学院入学担当ディレクターであるアマンダ・シャラー氏は、「私たちは常に、成績証明書やテストのスコアなど、収集に時間がかかる書類から取りかかるよう、留学希望者にお願いしています。」と言います。
同校では、母国語での成績証明書の正式なコピーと、それに対する認証済み英語訳が必要で、「これは入学手続きが滞る原因になりえる部分です。」と彼女は言います。
アイダホ大学のダナ・ブローリー国際サービス・ディレクターによると、学生にとっては、よく調べ、各校の入学カウンセラーと協力することがこれまで以上に重要だといいます。各大学によって出願条件や締切日が異なるので、学生はそれぞれの出願の手順や条件を把握しておく必要がある、と彼女は言います。
「コロナの制限は世界中のほとんどの国で緩和されていますが、ビザ面接の待ち時間は依然として続いているため、前もって計画を立てることが重要です。」とブロリー氏は言います。
これはまた、余裕のある渡航計画にもつながります。
「航空券は高額で、キャンセルされたり、予定が変更されたりすることもあります。できるだけ早く渡航の手配ができるよう、早めに出願することをお勧めします。」とのことです。
自分に合った大学を見つけるために様々な方法を活用しよう
コロナウィルスの流行は、世界的に留学生募集活動に影響を及ぼし、一時はオンラインでのフェアや説明会、 米国の大学代表者によるオンライン訪問などへのシフトが見られました。現在は大部分が対面に戻っている一方で、留学生は自分に合った大学を見つけるために、あらゆる機会を利用するべきだと専門家は言います。
パンデミックによる良い変化のひとつは、ほとんどの入学事務局が、オンライン上でも効果的な募集へと変革をせまられたことだ、とマサチューセッツ州にあるクラーク大学の学部入試・財政援助担当副学長、メレディス・トゥオンブリー氏は言います。「現在ほとんどのアメリカの大学は、日々の説明会、面接、見学、その他諸々をオンラインで提供しており、すべてスマートフォンやパソコンから自由にアクセスできます。」
そして彼女は、留学生は大学へコンタクトを取ることをためらわない姿勢が重要だとも言います。
「これに関してはいくら言っても足りないぐらいです。自分からアピールしなければ、大学側が本当にマッチする人を採用することは難しいのです。メールで自己紹介をしたり、ウェブサイトの資料請求フォームに記入したりしましょう。」とトゥオンブリー氏は言います。
専門家によると、学生は自分に合っているだけでなく、海外からの志願者が少なく、競争が激しくない可能性のある大学をリサーチするべきだといいます。そのような学校は、海外からの入学者を増やしたいと考えている可能性があるからです。
「留学生を増やしたいと考えている大学を見つける比較的簡単な方法は、留学生のための奨学金を提供している大学を探すことです。」とトゥオンブリー氏は言います。
課外活動
専門家によると、課外活動は、ボランティア活動、仕事、家庭教師など、たとえパンデミック中にリモートで行ったことであっても、情熱、献身性、国際的な感覚などを示して出願者を際立たせることができるといいます。
「パンデミックの期間中に新しい言語や楽器、趣味を始めた学生や、芸術、音楽、読書、詩作、執筆など、彼らがもともと持っていた趣味情熱に対してより多くの時間を費やした学生の話を聞いたことがあります。」ベニントン・カレッジの入学担当副学長、トニー・カバスコ氏は言います。
彼は、パンデミックの時期にアルバイトや家族の世話をした経験も忘れてはならないと話します。教会やその他の宗教団体や活動に積極的に参加している学生は、そのことにも言及することができる、とも述べています。
ホンジュラス出身のヨバニ・ロペスさんは高校生の時、アメリカで多くの布教活動をしました。現在リンデンウッド大学でビジネスを学んでいるロペスさんは、それが “英語力と英語でのコミュニケーション能力を向上させる最良の方法“だったといいます。
ロペスさんはまた、高校の学級委員長を4年間務め、スペリング・ビー(単語の綴りの正確さを競う競技会)やサッカー、陸上競技など、学校を代表する地域の大会に参加して賞を獲得するなど、優等生でもありました。
「学生たちと話をするとき、中学生時代の活動を日記やポートフォリオにまとめることを勧めています。」とブロリー氏は言います。「数年前の受賞や活動は忘れやすいため、それを記録しておくことはとても役に立つのです。」
国際教育コンサルタントの利用を検討しよう
留学希望者が米国の大学に出願する場合、教育コンサルタントは必須ではなく、高校のカウンセラーなどに相談できる場合もあるでしょう。しかし専門家と協力することで、大学の絞り込み、出願や学資援助手続きの際に助けになるのです。
「ここ数年、大学出願手続きは大きく変化しています。パンデミックがきっかけとなった変化もありますが、新しい入学試験日程や、試験を任意化または免除の方針など、多くの変化は長期的なものです。」と、非営利団体Independent Educational Consultants Associationの最高経営責任者(CEO)であるマーク・スクラロー氏は言います。
彼が言うには、大学はますますグローバルな学生を求めていますが、現在の学生数、キャンパスや専攻分野への多様な要望、世界の政治情勢の変化などによって、留学生の出願に対する対応はそれぞれ異なります。
「このような理由から、留学生として米大学での勉強の機会を探る際には、合理的で十分な情報に裏付けされた専門家の助言が必要なのです。IECAのメンバーは、キャンパス計画の変更、ビザの要件、大使館の閉鎖、さらには安全やセキュリティの懸念にまで様々な情報に注目して活動しています。」とスクラロー氏は言います。
教育コンサルタントを利用するのも一つの方法ではありますが、留学希望者はいつでも米国の大学に問い合わせることもできます。
「質問をしてみてください。カウンセラーが手助けしてくれますから。私たちは皆、学生の成功のために働いているのです。」と、学生たちが大学にコンタクトをとることを推奨するブロリー氏は言います。
出典:Get a Jump-Start on Applying to U.S. Colleges as an International Student
https://www.usnews.com/education/best-colleges/articles/to-do-list-for-prospective-international-students
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