【SAT/ACT】ACTとSATは結局どちらを選ぶべきなのか?

はじめに

ACTとSATの目的は同じです。どちらも「大学進学を目指す学生の準備状況を測ること」を目的としています。

受験生がどちらを選ぶべきか迷う際、専門家たちはまず両方の模擬試験を受け、自分に最も適している方を見極めることを勧めています。


ACTとSATの受け入れ状況

ACTとSATは米国の大学で広く受け入れられているため、学生はしばしば「どちらの試験を受けるべきか?」と悩みます。
その答えは、両試験の違いを理解することにあります。

多くの大学が「試験不要制」や「試験結果非開示制」を導入しているにもかかわらず、両試験の人気は依然として高い状況です。
カレッジボード(College Board)のデータによると、2023年卒業予定の高校生のうち190万人がSATを受験し、前年の170万人からわずかに増加。
また、約140万人がACTを受験しており、こちらも前年からわずかに増加しています。


専門家のコメント

両方の試験を受ける学生も多いですが、大学側はどちらかを優遇することはありません。

「大学はどちらの試験も区別しません。2つのテストはまるで2人の子供のようなもの。どちらも同じように愛しています。」
― ジンジャー・フェイ氏(Green Apple College & Guidance コンサルタント)

両試験は形式や内容に違いがあるものの、学生の批判的思考力や分析力を測る指標としての目的は共通しています。
一部の大学では、コロナ禍で任意提出にしていたテストを再び必須化する動きも見られます。


どちらも1度は受けてみるのがベスト

試験対策会社Sylvan Educationの副社長、エミリー・ミッチェル氏はこう述べています。

「絶対に失敗すると感じない限り、まず受けてみるべきです。
合格者の平均スコアを確認し、自分がそのレベルかそれ以上なら提出してください。
そうでなくても、不利になることはありません。」


SATとACTの基本的な違い

SATは非営利団体「College Board」によって実施され、AP試験なども提供しています。
一方、ACTは同名の非営利団体による試験で、範囲はより限定的です。


主な違い一覧

項目 SAT ACT
試験時間 約2時間14分(2024年以降) 約2時間55分(+作文で3.5時間)
形式 適応型デジタル形式 紙ベース(従来型)
セクション 読解・作文(64分)+数学(70分) 英語・数学・読解・科学(+作文)
電卓使用 数学セクション全体で使用可 一部制限あり
特徴 1問あたりの時間が長い/短文読解中心 問題は易しいが時間が非常に短い

専門家の見解

カーディナル・エデュケーションのCEO、アレン・コウ氏はこう述べています。

「SATは時間配分に余裕があり、集中力が続きにくい人やペースがゆっくりな受験生に向いています。
ACTは1問ごとの時間が短く、スピードと集中力が問われます。」

また、2024年3月からSATは適応型デジタル試験へと移行し、問題はより短く簡潔になりました。
これにより、「1つの読解文に1つの設問」が対応する新形式となっています。


ACTの「科学」セクションの誤解

多くの学生が誤解しがちなのが、ACTの科学セクションは“科学知識”を問うものではないという点です。

「科学セクションはむしろ応用読解です。
科学的知識を問うというより、図表や実験設定の読み取り力を測るのです。」
― アレン・コウ氏


どちらに絞るかを決めるコツ

両試験を準備するのは負担が大きいため、自分に合う方に集中するのが賢明です。
まずはPSATやPractice ACTを受けてみるか、各公式サイトの模擬試験を活用して判断しましょう。


ACTライティングテストを受けるべき?

SATは2021年に任意エッセイと科目試験を廃止しました。
一方、ACTは40分の任意ライティングテストを継続しており、追加費用は25ドルです。

「迷う場合は受けておくのが無難です。後から不要と判断すれば提出しなければよいのです。」
― コウ氏


SATとACTの得点換算表

SATとACTのスコアを比較したい学生のために、College BoardACT運営団体は、総合スコアの推移を示す換算表を提供しています。以下の表は、このデータの内訳を示しています。

SAT の場合、合計スコアは 400 ~ 1600 の範囲です。ACT の場合、総合スコアは 1 ~ 36 の範囲です。これらの範囲には、別途採点されるオプションの ACT ライティング テストは含まれません。

SATスコア ACT換算スコア
1600–1570 36
1560–1530 35
1520–1490 34
1480–1450 33
1440–1420 32
1410–1390 31
1380–1360 30
1350–1330 29
1320–1300 28
1290–1260 27
1250–1230 26
1220–1200 25
1190–1160 24
1150–1130 23
1120–1100 22
1090–1060 21
1050–1030 20
1020–990 19
980–960 18
950–920 17
910–880 16
870–830 15
820–780 14
770–730 13
720–690 12
680–650 11
640–620 10
610–590 9

平均スコアの推移

2023年の高校卒業生の平均スコアは以下の通りです。

  • SAT平均:1028点(前年の1050点から低下)
  • ACT平均:19.5点(前年の19.8点から低下)

これは6年連続のスコア低下を示しています。

「SATは満点を取るには2〜3問の誤答までが許容範囲ですが、ACTは7〜8問間違えても満点が可能です。」
― コウ氏

大学はスコアの種類よりもパーセンタイル(相対順位)や、志望専攻との整合性を重視する傾向にあります。


受験料と費用の比較

試験費用も年々上昇しています。

試験 基本料金 ライティング込み料金
SAT $60(以前は$52)
ACT $68(以前は$63) $93(以前は$88)

その他、遅延登録などの追加料金が発生する場合もあります。
また、州の支援や受験料免除制度(Fee Waiver)を利用できるケースもあります。


自分に最適な選択を

ACTとSATはどちらも、あなたの学力と大学進学準備度を測るための有力な手段です。
ただし、試験内容・時間配分・得点方法が異なるため、
「どちらが自分に合うか」を見極めることが最も重要です。

模擬試験を受け、実際に手応えを感じた方を選択することが、志望校合格への最短ルートと言えるでしょう。


出典:ACT vs. SAT: How to Decide Which Test to Take
https://www.usnews.com/education/best-colleges/articles/act-vs-sat-how-to-decide-which-test-to-take

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