はじめに
多くの学生が、米国で最も権威のある学部教育機関の一つであるスタンフォード大学に入学したいと考えています。スタンフォード大学への入学は非常に厳しいものですが、その入試には明確なルールがあります。これらのルールを上手に利用すれば、合格の可能性は大きく高まるでしょう。
注:以下のアドバイスは、カリフォルニア大学バークレー校やコーネル大学への入学にも有効です。コーネル大学やバークレー大学はスタンフォード大学とは異なりますが、どちらも非常にランクの高い大学です。
スタンフォード大学は入学が最も難しい大学のひとつで、合格率はわずか3.68%です。スタンフォード大学は、USニュースの大学ランキングで常にトップ10(しばしばトップ5)にランクインしています。スタンフォード大学が提供するもの(例えば、西海岸での生活や、工学部寄りの大規模な研究機関など)に重点を置く多くの学生にとって、同大学は最重要の選択肢です。スタンフォード大学はまた、ミシシッピ以西の学校では、USニュースのランキングで断トツのトップに位置しています(2位はカリフォルニア工科大学ですが、この学校にはまったく異なる人々が集まります)。
スタンフォード大学は、入学試験に関しては一定の規則に従っています。そのルールとは、「学業に専念すること 」や「可能な限りバランスよく教養を身につけること」といった単純なものではありません。(そしてこれらは実際、スタンフォードの入試に関する二大誤解です。) ルールを知ったからといって入学が保証されるわけではありませんが、闇雲に出願するよりははるかに有利になります。
文系であれ理系であれ、スタンフォード大学に入学するために知っておくべきことをすべてご説明します。また、どの入試戦略が誤りで、従ってしまうと合格の可能性に深刻な影響を与えるのかについても説明しましょう。
スタンフォード合格に関する3つの真実と2つの誤解
このセクションでは、スタンフォード大学に合格するために絶対に知っておくべき重要な3つの真実と2つの誤解をお伝えします。初めの方のものは比較的よく知られていますが、最後の方のものはあまり知られておらず、あなたの出願をさらに後押ししてくれるでしょう!
真実1:優れた学力が必要
最初の真実は、スタンフォード大学は何よりもまずアカデミックな機関であり、合格するためには素晴らしい学業成績が必要ということです。スタンフォード大学は現在テスト選択制ですが、SATやACTの高得点は自分の能力をアピールする素晴らしい方法であることに変わりはありません!
しかし、それには非常に高いスコアが必要であることを覚えておいてください。入学者の25パーセンタイルのSAT/ACTスコアは、SATで1500点、ACTで33点とかなり高いです。つまり、スタンフォード大学の学生の大半(75%)はこのスコア以上であり、これより低いスコアで入学した学生は、他の(非常に印象的な!)方法でスコアを補ったスーパースターなのです。
もしあなたのスコアがこの数字より低い場合、入学の可能性を高めるためにできる最も効果的な方法は、SAT/ACTの勉強を増やすことです。なぜならスタンフォード大学があなたを不合格にする主な理由はスコアだけだからです。スタンフォード大学の75パーセンタイルは、現在SATで1570点、ACTで35点です。これらを上回っていれば、テストのスコアは十分だと考えてよいでしょう。
誤解1:必要なのは良い成績だけ
1番、そして最も純粋な誤解は、スタンフォードは成績しか気にしない、というものです。他の誤解と同様、これも真実を鵜呑みにしすぎた結果であります。スタンフォード大学はアカデミックな機関だから、学業だけを重視しているに違いないと考える人が多いです。
しかし真実は違います。スタンフォードはもちろん学業に深い関心を持っていますが、学業以外の資質も重視しているのです。スタンフォード大学が求めるのは、単にGPAやSAT/ACTのスコアが高い学生だけではありません、それ以上のものを求めているのです!
真実2:複数の分野で優秀であるべき
では、なぜスタンフォード大学はテストの点数が高い学生を求めることだけをしないのでしょうか?
1つ目の理由はシンプルに数の問題です。単純に学業優秀な学生は多すぎるのです。スタンフォード大学の学生の平均ACTスコアは33点で、スタンフォード大学はこのスコア(またはそれ以上)を優秀とみなしています。
それでも33点では、高校生の約1%があなたの上にいることになります。高校3年生の数が年間370万人なので、そのうち1%は約3万7000人に相当し、その数字はスタンフォード大学が毎年受け入れている学生数約2000人の何倍にもなります。そのため、スタンフォード大学のような一流大学は、同じように成績優秀な学生を区別するために、学業成績以外の点にも目を向ける必要があるのです。
2つ目の理由は、スタンフォードを含む多くのトップ・カレッジが、世界に重要かつポジティブな影響を与えることができる学生を求めているということです。スタンフォード大学は、トップクラスの学業成績に加えて、学業以外の要素も将来良い影響を与えられる人物かどうかを予測するのに役立つと考えています。こうした学業以外の要素(しばしば「課外活動」という包括的な用語で知られる)には、クラブやスポーツへの参加などが含まれます。
その結果、最初の誤解を2つ目の真実に置き換えることができます。一流大学は学業だけでなく、GPA、テストスコア、課外活動、 地域奉仕活動などを含む、さまざまな分野の長所を重視しています。
現実には、大学入試について少しでも調べたことのある人なら、上記のような多分野を重視するという入試の真実は、実はよく知られていることです。純粋な学力神話は、もはや神話ではありません。多くの人がバッシングしたがる誤解ですが、実際に信じている人は多くはないからです。実際、この第一の誤解を過剰にバッシングすることで、それよりもさらに厄介な、以下の第二の誤解が生まれるのです。
誤解2:総合的であるべき
この2つ目の誤解は、スタンフォード大学が、学生はすべての分野で等しく優秀であるべきであり、総合的にバランスの良い人物であることを重視しているというものであり、これは最も広く信じられ、最も有害な誤解です。なぜこの誤解が最も悪質なのかというと、多くの人が盲目的に信じているからです。
よく研究している学生やその親でさえ、この誤解に陥っていることがあります。実際の合格者の生徒も、すでに何百時間も研究を重ねていたにもかかわらず、高校に入学したばかりのころはこの恐ろしい思い込みを信じていました。
多くの高学歴の人々がこの誤解を信じており、それは人々を間違った方向に導く可能性があるため、どの誤解よりも有害だと考えることができます。
均整がとれているべき、という誤解の内容は次のようなものです:スタンフォード大学は、あなたがオールラウンダーになることを望んでいる。言い換えれば、学校のオーケストラで高い席を目指し、学校のディベートチームで1番か2番になり、生徒会に立候補して会計になり、SATまたはACTで95パーセンタイル以上のスコアを取り、すべての授業で少なくともA-を取れ、ということです。
この誤解の基にある考え方は、スタンフォードの得点表はあなたの最も弱い分野に基づいて採点するので、あなたはすべての弱点をなくすことが望ましい、というものであります。この誤解のもとでは、自分の最も苦手な分野にすべての時間を集中させ、その分野をなくし、可能な限りバランスの取れた人間にならなければなりません。そうすれば最終的に、あなたが(ほぼ)すべてにおいて同等に優れていることを証明する、架空の最適出願書類が出来上がるのです。
実は、スタンフォードは、尖りなくバランスよくまとまっていることを退屈すぎると考えています。丸くまとまって均整が取れている人はみんな同じように見えるのです。飛びぬけてはいないが、全てに長けている、つまりあなたを際立たせるものは何もないということになります。言うまでもなく、多くの分野でどっちつかずだと、特に何に対しても本気でないうわべだけの人に見えてしまうのです。
真実3:ある分野で「スパイク」を持つべき
最後の3つ目の真実は、スタンフォード大学は、たいていのことでそれなりに優秀だが、ある特定の分野で本当に優れている候補者を迎え入れたい、ということです。その分野とは、微生物学の研究、短編小説の出版、小規模ビジネスの立ち上げなど、ほとんど何でも構いません。
そういったあなたの「スパイク(とげ)」は、他の多くの学生があなたと全く同じスパイクを持っている可能性が低いため、あなたを有力な候補者にします。要するに、それはあなたを際立たせ、ユニークな存在にするのに役立つのです。異なるスパイクを持つ学生を多く入学させることで、スタンフォード大学は多様な学生を受け入れることができるのです。
さらに、スタンフォード大学は将来成功する学生を求めています。現代社会では、専門性が成功の鍵です。考えてみてください。骨折したら、骨を治療するのが得意な医者に診てもらいたいですよね?骨を治すのが得意で、インフルエンザの種類を診断するのも得意で、健康維持のための食事療法を勧めるのも得意な医者ではないはずです。
横着でもいいのです、実際その方が望ましいとさえも言えます!つまり、自分の得意分野を1つ伸ばすことを目指すべきということです。その分野、つまりスパイクでは、全国や州レベルでランクインする、あるいは高校生としては珍しい目標を達成するなどのためにベストを尽くす必要があります。カリフォルニア州でトップ100に入るフットボール選手や、全米でトップ1000に入る数学競技の生徒を思い浮かべてください。12歳でパイロットの免許を取得するなども含まれます。
それ以外の分野では、99パーセンタイル、あるいは90パーセンタイルであれば十分です。英語のクラスではそこそこいい点数を取ることができればそれでいいのです。ボランティアは数十時間で構いません。しかしスパイクにおいては、ベスト・オブ・ベストでありたいのです。
スタンフォード入学に関する真実と迷信
最も浅はかかつ最も一般的な誤解は、スタンフォード大学への入学は学業がすべてだというものです。現実には、学業だけで志願者を入学させると、面白みのないコミュニティになってしまいます。スタンフォード大学は課外活動も重視しており、学校において一部分だけ、あるいは全部であったとしても、良い成績を収めただけでは十分ではありません。
残念ながら、上記に対する過剰な反応が最悪の誤解を生みだします。誤解2とは、あらゆる分野で良い結果を残すべきだが、必ずしも超優秀である必要はない、というものです。しかし実際は、あまりに尖りなきオールラウンダーになりすぎると、あなたと同じように尖りない他の人と同じに見えてしまいます。
最終的には、どの分野でも平均だが、ある特定の分野では特に優れた人物になりたい、ということなのです。
スタンフォードに関する真実と誤解が意味するもの
上記の情報に基づくと、あなたの最初の目標は、学業成績を確実に向上させることです。高校で良い成績を取り、SAT/ACTで少なくともスタンフォード大学またはあなたが志望する学校の50パーセンタイルに入っていることを確認しましょう。
50パーセンタイル以上であっても、まだ勉強時間が数十時間を超えていない場合は、75パーセンタイルを目指しましょう。SAT/ACT対策は、スコアを上げ、入学の可能性を高める最も時間効率のよい方法の一つです。
50パーセンタイルを超えたら、最初の誤解(成績がすべて)を克服することに取りかかりましょう。スタンフォード大学が重視するのは学業だけではありませんから、良い課外活動やボランティア活動にも時間を割きましょう。
基本的な活動が十分にできたら、次はスタンフォードが望むものは多様性に富んだオールラウンダーではないということを理解して、2つ目の誤解を克服する番です。他のどの分野よりも自分が目立つことができる分野を1つ持つのです。このスパイクは、出願書類で最も重要な部分の1つになります。
スタンフォード大学の入試に関する最大の誤解と事実について説明してきました。ここからはまた違った側面について見てみましょう。同大学はSTEMに重点を置いています。この事実は、STEMに興味がある場合ない場合ともに、あなたにとって何を意味するのでしょうか。
スタンフォードのSTEMへの偏向が入学のチャンスに与える影響
スタンフォード大学(およびコーネル大学、カリフォルニア大学バークレー校)と他のトップ10カレッジの違いのひとつは、スタンフォード大学は純粋なリベラルアーツ・カレッジではないということです。その代わり、同大学は、STEM(科学、技術、工学、数学)への偏りがあるリベラルアーツ・カレッジと言えます。
つまり、他のすべての条件が同じで、あなたの興味が工学に傾いていれば、入学の可能性が少し高まるということです。課外活動については、工学や数学に重点を置くことが役立ちます。つまり、ある生徒がトップ100に入る若手作家で、別の生徒がトップ100に入る数学の実力者だった場合、後者の方がスタンフォード大学に入学できる可能性が若干高くなる可能性が高いのです。
私の言葉をただ受け取るだけでなく、自身でも検索してみましょう。スタンフォード大学はUS News誌の工学部ランキングで上位に入る一方、ハーバード大学やイェール大学は上位10校には見当たりません。しかし、これは自己達成的予言のようなもので、優秀な工学部生が集まるからこそ、同じような考えを持つ学生にとって理想的な場所になっているのです。
このような明らかなSTEM傾向にもかかわらず、スタンフォードはSTEMだけの学校ではありません(MIT、カリフォルニア工科大学、カーネギーメロン大学など、他のトップクラスの学校は基本的にSTEMだけです)。そのため、数学関連の授業や課外活動だけがスタンフォード大学に出願する際に重要というわけではありません。
次の2つのセクションでは、あなたが大学で勉強する予定の科目に応じてアドバイスをしていきます。STEMにあまり興味がない人は、次のセクションを読みましょう。しかし、すでにSTEM分野に重点を置いていて、今後もそうするつもりなら、次のセクションは飛ばしてその後のセクションに進んでください。
STEMにあまり興味がない人がスタンフォード大学に入学する方法
スタンフォード大学が工学部寄りだからといって、エンジニアでなければ入学できないというわけではありません。基本的にはSTEMに興味がある必要さえないと言えるでしょう。スタンフォード大学は、マサチューセッツ工科大学(MIT)やカリフォルニア工科大学(Caltech)とは異なります!素晴らしい工学プログラムがある一方で、経済学や文学など、非STEM分野にも非常に強いのです。
工学への熱意が全くない志望動機であっても十分通用します。実際、イェール、プリンストン、ハーバードで通用するような文系偏重の願書であれば、スタンフォード大学でも同じように、いや、それ以上に通用するでしょう。
とはいえ、スタンフォードは基本的な多様性を好むという事実を忘れないでください。あなたのスパイクはSTEM関連である必要はありませんが、やはり全体として量的科目が得意であるべきです。興味のある科目がプロイセン史であっても、AP微積分ABでBを取ったり、最も簡単な数学のクラスを取ったり、SAT数学セクションで650点という「低い」点数を取ることには慎重になるべきなのです。
スタンフォードは志願者数が多いので、少なくとも最難関の数学と理科のクラスで基本的なAかA-を取れる文系スパイクの志願者は十分にいます。中間層に転落しないよう、これらの科目に十分力を入れるよう気をつけるべきでしょう。スタンフォードは「私は数学が苦手だから」という言い訳は受け付けてくれません(そもそもそんな言い方が一般的に受け入れられる文化に反対していると言えるでしょう)。
では、SATやACTの数学で十分な基準点とはどのくらいでしょうか? SATの数学セクションで720~800点、ACTの数学セクションで32~36点の範囲でしょう。SAT/ACTは数学の競争試験ではありませんから、このセクションで良い成績を取ったからといって、数学で全国的なランキングに基づく評価を得られるわけではありません。実際、SAT/ACTの数学セクションは、全米の高校の数学の授業で扱われる最も基本的な共通項のみをテストするように設計されています。
そのため、SAT/ACTで満点を大幅に下回ると、スタンフォード大学に対して、数学の標準的な分野の理解不足を示すことになります。SAT数学で700点、ACT数学で30点を下回ると、変数の因数分解やピタゴラスの定理の適用など、数学の標準的な概念を完全に理解していないとスタンフォードに判断されます。
工学が得意でない学生は、スタンフォード大学が学際的な研究を歓迎していることを知っておくべきです。実際、スタンフォード大学は、あなたが単に人文科学について話すだけでなく、あなたの人文科学の専門知識はコンピュータ・サイエンスや数学などの分野をどのように利用して、その分析をより洗練されたものにしたかについて話すのを見たいのです。
本当に興味があるのであれば、将来の研究で工学をある程度活用したいという願望を述べると、出願に役立つでしょう。例えば、旧約聖書を中心とした宗教学を志しているのであれば、文書仮説を洗練させるために統計分析をどのように使いたいかを話すとよいでしょう。
スパイクについてですが、あなたの本来の強みはSTEM以外の分野なので、STEMタイプのスパイクはお勧めしません。通常、スパイクは元々の才能があり、自分が心から楽しめる分野で行う方がずっと簡単です。STEMタイプのスパイクは、あなたにとってあまり意味がなく、達成するのもそれほど楽しいことではないことは言うまでもないでしょう。
スピーチ、ディベート、作文、エッセイなどの大会について考えてみましょう。例えば、ディベート系の活動が好きな人には、模擬国連、ジュニア・ステート・オブ・アメリカ、ガバナーズ・スクール、模擬裁判、全国ディベート大会などがあります。
競争や大会は、入試担当者があなたの実力を見る直接的な手段になりますが、質的に同じような達成感を感じられる他の活動をすることもできます。例えば、圧倒的観客数を誇る演劇サークルを立ち上げたり、ヴィクトリア朝英文学についてジャーナルに載るような学術的研究を一貫して行ったりすれば、スパイクとして有利に働くでしょう。
STEM分野に強い人がスタンフォード大学に入学する方法:4つのヒント
もしあなたの長所が数量的なことなら、それは大きなアドバンテージになります。何しろスタンフォードは工学部寄りの大学なのですから!さらに、この経路でスタンフォード大学に入学した実際の体験談も基に、ここでは具体的なプログラム名を挙げてみるなど、より洗練された戦略をご紹介します。
以下は、STEM分野に強い人がスタンフォード大学に合格するための4つの秘訣です。
#1:STEM分野で学業優秀であることを確認する
自分がSTEM分野に強いと考えるのであれば、STEM分野全体において絶対的に優れていることが重要です。つまり、すべてのSTEMコースでAまたはA+を獲得し、A-はごく稀であるべきです。
また、学校で開講されている最も難易度の高いSTEM科目を履修することも必要です。言い換えれば、AP科目がある場合はそれを履修し、AP科目の中でもより難しい方(例えば、微積分ABではなくBC)を選択するようにしましょう。AP試験では、これらの分野でそれぞれ5点を目指しましょう。
生来STEMの才能があり、最難関コースを受講していれば、高い確率で素晴らしい成績を取ることができますが、その高い確率を確実なものに変えたいものです。
生まれつきSTEMの才能がある生徒が、STEMコースで平凡な成績しか残せない最大の理由は、勤勉さの欠如であります。STEMに強い生徒の多くは、その時点で興味のあることだけに集中したがります。スタンフォード大学に入学した際に受けられるSTEM教育のメリットを見越し、学校で良い成績を取るための必要な努力をする価値があると、自分を納得させることが重要なのです。
この点をより明確に説明するために、ある生徒Aの実話を紹介しましょう。彼は非常に聡明で、知能テストではトップクラスの成績を取り、戦闘ロボットに夢中でした。彼は文字通り、このロボットの製作に全力を注ぎ、しばしば英語の授業や物理の授業をサボり、睡眠さえも削ってこの強烈な情熱に時間を費やしました。
結局、英語の成績はD、物理の成績はC(それ以外は優秀)でした。悲しいことに、入試の時期が来て、彼は上位50位以内のどの大学にも入ることができなかったのです。彼の知性があれば、学業に少しでも精を出していれば、USニュースのトップ50に入ることは容易だったはずでした。
#2:STEM分野以外の学業も充実させる
次のステップは、STEM分野以外の学業が、少なくともある程度の質の基準を満たすようにすることでしょう。これは、文系で優秀でなければならないという意味ではありませんが、文系クラスでのBは最低限に抑えたいという意味です。文系のAPクラスを取る必要はありませんが、もしAPクラスを取り、APテストで4点か5点、クラスでA/A-を取れば、最終的には間違いなく有利になります。
ACTやSATのような標準化されたテストは、あなたがどれだけ教養があるかを証明する素晴らしい方法です。ACTやSATの難易度は高く、十分な高得点を取れば、全米で95パーセンタイル以上であることを示すことができます。とはいえ、ACT/SATはあなたのスパイクになるほど専門的ではありません。
文系に少し弱いのであれば、SAT/ACTのスコアを上げるのが最も早く効果的な方法でしょう。SATのリーディングとライティングのスコアが650点以上、またはACTのリーディングと英語のスコアがそれぞれ28点以上を目指してください。量的に優れていることは、一般的に賢いことと相関しています。
その気になれば、この点数は間違いなく取ることができます。(唯一の注意点は、英語がそれなりに流暢である必要があるということです。ネイティブスピーカーでなく、流暢でない場合は、英語圏の国に留学するなどして最優先で勉強することをお勧めします)。
テスト対策は、SAT/ACTが分析的なテストであるという事実を中心において行いましょう。量的科目が得意になるために使ったのと同じスキルが、これらの統一テストをマスターするのに役立つでしょう。これらのセクションで650点(または28点)以上を目標にするだけなので、最後の数問やケアレスミスについてそれほどストレスを感じる必要はありません。
しかし、SATで最も一般的な文法ルールをすべて暗記し、目標スコアを犠牲にすることなく何問までの間違いが許されるかを学ぶ必要があります。
#3:充実した課外活動を盛り込む
スタンフォード大学の出願書類には、可能であれば達成がそこまで難しくない何かを添えましょう。ディベートや模擬国連など、人前で話す必要のあるクラブでリーダーを務めるのはどうでしょうか。政治や法律の多くの分野は、あなたがSTEMで慣れ親しんだ論理システムに驚くほど近いと言えます。
スポーツをすることも視野に入れてみましょう。JVチームの多くは、驚くほど競争率が高いわけではありません。また、自分の長所を生かすようにしましょう。力が強いというより器用な人は、例えばスカッシュを選ぶといいかもしれません。足が速く、目と手の連動が得意なら、野球を選ぶといいでしょう。
しかし、スポーツチームには多くの時間が費やされるため、何かを決める前にあなたが十分なポジションにいるか、時間的な負担に耐えられるかを確認してください。
何百もの課外活動がリストアップされているガイドもあるので、多様なベースを構築するためのブレインストーミングに活用してください。課外活動では、特に得意である必要はなく、最終的に重要なのは参加することです。
#4:スパイクに集中する
SAT/ACTで好成績を収め、充実した活動の基盤ができたなら、次は入試に合格するための最後の要素、スパイクを作りましょう!スパイクは、あなたがSTEMのスキルを存分に発揮できる場です。
スパイクに関しては、認知された分野で上位にランクされることが勝負の分かれ目となります。
最も自然にランクイン実績を作ることができる環境のひとつが競技会です。もちろん、認知度の高い大会であればあるほど良いのは言うまでもありません。ご想像の通り、最も有名で、難易度が高く、参加者の多い大会や競技会が最も権威があります。
スタンフォード大学への出願のためには、中途半端な権威の大会で100位以内に入るよりも、最も権威のある大会で1000位以内に入る方が良いのです。つまり、あなたが実際に活躍できる中で最も権威のある大会を目指すべきだということです。可能な限り、権威のある大会から順に検討すべきです。
権威あるSTEMコンテストといえば、US Math Olympiad(以下「USAMOシリーズ」)とRegeneron International Science and Engineering Fair(以下「Regeneron ISEF」)の2つが有名です。この2つの大会は、スタンフォード大学を志望する人なら誰もがエントリーを検討すべき大会だと言えるでしょう。
USAMOシリーズは、純粋な数学と、かなり速く(時間制限のある環境で数分から1時間程度を考えてください)問題を解くことがすべてです。USAMOシリーズで簡単な問題がどのようなものかを知りたければ、SAT Mathの一番難しい問題や、(現在は廃止されている)Math Level 2 SAT Subject Testの一番難しい問題(一番難しい問題はたいてい最後に出題されます)を確認すると良いでしょう。
それとは対照的に、ISEFは大学でやることとに似ていて、研究を何日も何ヶ月もかけてやり、その結果を発表するというものです。USAMOシリーズと比べると、ISEFは趣味や個人的なプロジェクトに長期間取り組むようなものと言えます。
それでは、これら2つのSTEMコンテストについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
USAMOシリーズ
ここにAMC12のサンプル問題があります。もしこれが問題なく解けるなら、あなたは数学コンテストの有力な候補者でしょう。
区間[0, 1]にある3つの実数を独立にランダムに選ぶ。選ばれた数が正の面積を持つ三角形の辺の長さである確率は?
(A) ⅙
(B) ⅓
(C) ½
(D) ⅔
(E) ⅚
AoPS Onlineで答えと詳しい説明を見ることができます。
もしあなたが数学が得意なら、USAMOシリーズを真剣に検討すべきです(非公式情報はこちら)。USAMOシリーズはとても権威があり、この大会で上位1,000人または2,000人以内に入ることが主なスパイクとなった学生も実際にいます。
しかし、なぜUSAMOがそんなに権威があるのでしょう?ひとつには、高校の教科オリンピックの中で最も歴史が古く、米ソ冷戦時代に競争の対象でもあったからです。しかし最も重要なのは、数学的に最も優れた生徒が何十万人も参加するため、上位入賞が実に印象的だということでしょう。
登録するには、高校の数学の先生に尋ねるのが一番です。もしあなたの高校がこの大会をやっていないのであれば、懸命に説得するか、ゲストとして受け入れてくれる近隣の高校を探すべきです。
このスパイクは、SAT数学のスコアが760点以上(またはACT数学のスコアが35点以上)の場合に有効です。これらの基本的な基準を満たさない場合、USAMOシリーズをスパイクにする前に、よく考えた方が良いでしょう。USAMOシリーズは結局のところ、これら統一テストとほぼ同じ形式で、より難しいバージョンにすぎませんから。
また、優秀なUSAMOシリーズのスコアを持っていながら、SATやACTの数学のスコアに疑問のある大学志願者は、USAMOシリーズでの好成績が持つ効果を低下させてしまうことになります。
逆に、もしあなたがSAT/ACT Mathの基準点を超えているのであれば、たとえそれがあなたのスパイクでなくても、USAMOシリーズを受けることは間違いなく有益です。たとえ驚くような成績でなくても、あなたの数学スキルをすべてアピールするために、USAMOシリーズにアップグレードする必要があります。
要約すると、SAT/ACT Mathのような数学のテストで本当に良い結果を出すなら、USAMOシリーズをやりましょう。USAMOシリーズは、あなたが1,000位または2,000位以内に入ることができれば、間違いなくあなたのスパイクとなるでしょう。
さて、もしあなたがテストや競技は得意だが数学は苦手だとしたらどうなるでしょう?もしそうなら、Regeneron ISEFがあなたのSTEMスパイクにとってどのように素晴らしい選択となり得るか、この先をお読みください。
Regeneron ISEF
多くの生徒が、STEMの分野では優秀でも、時間制限のある問題を解くことに関しては得意ではありません。プレッシャーから不安になる生徒もいれば、STEMが得意でもテストが苦手な生徒もいます。このような生徒は、一度に何カ月も自分のコンピュータプログラムを書いたり、何週間も科学実験に取り組んだりするものです。
もしこのような生徒がいるなら、スタンフォード大学の願書においてスパイクとして検討すべき権威ある大会は、Regeneron ISEF(旧Intel ISEF)です。
多くの科学フェアと同様、ISEFでは研究を実施し、その成果を発表することが求められます。しかし、ISEFのユニークな点は、米国で最高峰の科学フェアであるということです。高校で開催される地元の科学フェアで優勝するのは、その町の100メートルダッシュで優勝するようなものですが、ISEFで優勝するのは、オリンピックの100メートルダッシュで優勝するようなものです。
ISEFに直接応募することはできません。その代わり、まずは地域の科学フェアに参加する必要があります。そこで良い成績を収めれば、次のISEFラウンドに進むことができるのです。大会の審査基準や実際の優勝者の体験談は、公式サイトで読むことができます。
優勝するための重要な要素は、革新的で独創的であることです。厳密でなければなりませんが、専門的な科学研究の域には達する必要はありません。面白いことがISEFの勝負なのです。
ISEFの優勝プロジェクトとはどのようなものでしょうか?以下、2020年の第1位受賞者のプロフィールからの抜粋です。
「最近ブルームバーグで紹介された彼女の研究プロジェクトで、リリアンは次のシーズンの収穫がどの程度うまくいくかを調査する簡単なツールを作った。衛星画像とデカルト研究所のデータを研究し、リリアンはアフリカのすべての国の2020年の収穫量を予測することに成功した。リリアンのプロジェクトは、COVID-19の期間中、リモートセンシングが農業界のギャップを埋める効果的な方法であることを強調しただけでなく、特に農民や偵察員が現地に行って現地の作物環境を測定できない場合に、次世代を担う若い科学者たちに研究は必ずしも研究室で行う必要はなく、自宅でもできるのだと安心させるものでもある。「今日、オープンソースのチュートリアルやソフトウェア、データセットが利用できるようになったことで、誰でも自分のペースで学ぶことができるようになりました。」リリアンは自分の机でプロジェクトに取り組み、他の人も同じことができると述べた。以下、リリアンから詳しい話を聞こう。」
ISEFで独創性を示すには、科学界にとって興味深い問題に取り組まなければなりません。学術的な科学文献の概要を把握している高校生はほとんどいないため、どの生徒にとっても、プロの学術科学者やエンジニアを指導者に持つことが重要です。そうすることで、その分野で重要とされる問題に確実に取り組むことができます。
また、経験を積んだ優秀な指導者は、どの問題なら学生でも取り組むことができ、どの問題は複雑で時間がかかりすぎるかを知っています。分野と指導者を選んだ後は、問題に対して創造的思考を働かせる粘り強さと集中力が鍵となるでしょう。これまで集中力を持続させたり、プロジェクトを最後までやり遂げたりするのが苦手だった場合は要注意です。
USAMOの場合、SAT/ACT Mathの成績が良いことが良い結果を予測する材料になります。しかしISEFでは、粘り強さと、最初から最後まで何百時間、何千時間でもプロジェクトに取り組む能力が絶対的に重要なのです。ISEFで100位以内に入れば、間違いなくあなたにとってのスパイクになるでしょう。
STEMスパイクの他の選択肢
STEMの大会は上記の2つ以外にもたくさんあります。科学分野では、物理学、化学、生物学、情報学(コンピューターサイエンス)オリンピックが挙げられます。これらの競技会では、非常に理知的に論理を働かせる必要があり、いずれの大会においても、いくつかの事実を記憶し、精通している必要があります。実際に高校在学中にそれぞれの大会に参加した人の体験談をもとにここでは、これらの競技がどのようなものかを簡単に紹介します。
数学オリンピックが特別なのは、1次選考を通過する人数が最も多く、最も競争率が高いからです。特定の数学的表現を見たときにどの方程式を引き出せばよいかがすぐにわかるよう、大量の練習をすることが数学オリンピックで良い成績を収めるための重要な要素になっています。
生物学は最も暗記を必要とします。実際、初期のラウンドのほとんどは、キャンベル生物学のテキストを迅速に思い出すというものです。
化学は、問題を解くために論理を駆使することと、問題を解くのに役立つ情報を適度に暗記することの混合科目です。化学と生物学の実地試験では、暗記した手順に従うのが得意であることが要求されます。
一方、物理学と情報学は、臨機応変さと斬新な問題解決力を必要とする実地的な部分が多いです。
これらの大会では、上位20~40位で予選を通過すれば、スタンフォードから見てその結果があなたにとってのスパイクとして機能すると言えるでしょう。
しかし、すべてのスパイクが、明確にランク付けされたものである必要もありません。医学研究にとって重要な新タンパク質を発見するなどの可能性もあります。必ずしもその発見を競う必要はなく、その発見が質的に十分に素晴らしいものであれば、スパイクとしてカウントされることができるでしょう。
スタンフォード大学のスパイクでは、生物学的プロセス、電気工学的発見、あるいはまったく別のものでも、驚くべき発見をひらめくことが重要です。あるいは、コンピュータ・プログラム、クールなロボット、面白い電子工学プロジェクトなど、何か新しいものを作ることもできます。いずれにせよ、あなたのプロジェクトを印象的なものにしましょう。
質的にも、数学オリンピックの上位1,000位以内と同等か、それ以上のものでなければなりません。スタンフォード大学はエンジニアリングを重視する大学であり、あなたが自分で何かを作り上げるのをぜひ見てみたいと思っているのです!
このように、あなたの特別なSTEMスキルを披露できる大会や方法は山ほどあります。上記いくつかの例以外にも、独自の何かを思いつくことも可能です。大会や分野が決まったら、それがどの程度権威のあるものかを確認するのが有効でしょう。
権威のない競技や分野ほど、その中で上位にランクされなければ同じ評価を得られないことを覚えておきましょう。権威の度合いを測るためにまずはどれほどの人が参加するのかを確認します。参加人数が多ければ多いほど、スタンフォード大学の出願書類でより印象的になるということです。次に、平均的な参加者のスキルを見ます。より高スキルの人々が参加しているものであれば、より良いでしょう。
この方法を使えば、上記の決められたもの以外で自分のスパイクをアピールする方法を見つけることができます。
結論 スタンフォード大学に入学するための最良のヒント
スタンフォード大学は、カリフォルニア大学バークレー校やコーネル大学と同様、入学が最も難しい大学の一つです。しかし、これらの大学はすべて、高ランクにあり、工学系の傾向がやや強いという同じパターンをたどっています。そして、入試のパターンについても同じ傾向があるのです。
これらは非常に有名な大学であるため、3つの真理を心に留めておくことが重要です。
- 高い基礎学力が必要で、SATスコアは600点以上(理想は各セクションで750点)。
- 得意とする(必ずしもプロレベルである必要はない)課外活動を多様に持っている必要がある。
- 他の学生と比べて(理想的には)上位100~1,000位にランクされる「スパイク」を持つ必要がある。
同時に、スタンフォードの入試に関する以下2つの誤解を払拭することも大変重要です。
- スタンフォードの入試は学業がすべてである。
- スタンフォードは、あなたができるだけ均整の取れた人間になることを望んでいる。
スタンフォード大学は、ややSTEM(工学)に重点を置いていることも覚えておきましょう。そのため、もしあなたがSTEM以外の分野に重点を置いているのであれば、その分野でベストを尽くし、可能であれば、その研究をSTEMとの学際的な研究の可能性につなげてみましょう。
すでにSTEMを専攻している場合は、自分のスキルの高さをアピールするために、権威ある数学や科学のコンテストに参加することを強く検討するべきです。
最終的に、可能な限り最高なスタンフォードへの志願書を提出できるようにしましょう!
出典:How to Get Into Stanford (by an Accepted Student)
https://blog.prepscholar.com/how-to-get-into-stanford-by-an-acceptee
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