アメリカのボーディングスクール

アメリカのボーディングスクール

なるべく早く、留学して英語や国際感覚を身に着けたい。けれど、どのような留学が良いのか分からない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、アメリカにあるボーディングスクールについてご紹介します。

ボーディングスクールとは


イギリス発祥のボーディングスクールは、全寮制の学校を指し、24時間クラスメートや教職員とともに生活しながら学ぶ教育施設です。アメリカでは留学生の場合、ジュニア・ボーディングスクール小学6年生くらいから受け入れられています。日本から留学する場合は、中学3年生から高校1年生のころが多いようです。

それぞれのボーディングスクールで独自のカリキュラムを持っており、独立精神やリーダーシップを培うと同時に、学業やスポーツ、芸術など生徒それぞれの才能を伸ばすことに力を注いでいます。アメリカには300以上のボーディングスクールがあるため、それぞれの学校で特化したプログラム、立地など、自分の希望する条件に合わせて学校を選ぶことができます。

アメリカの治安


留学する際、最も心配なのは、周辺の環境が安全なのかどうかではないでしょうか?アメリカは銃社会であり、日本と比べ日常の中でも安全に気を使わなければいけない場面がたくさんあるといわれます。大通りのすぐ横にある道でも、狭く暗い場所は危険ですので、人通りの多さ、周辺の建物や道路自体のきれいさを確認することも、危険を察知するうえで重要です。

公共交通機関を利用する際は、バスではなるべく運転手の近くに乗るようにすることや、電車では、人のいない車両を避けること、乗っている人の言動に注意することを心がけましょう。混雑時はスリも多く発生するため、財布やスマートフォン、パソコン、携帯ゲーム機などは人ごみの中で出さないようにし、ブランド物の小物をつけるのは避ける方がよいでしょう。

また、治安が良いとされている場所、逆に悪いといわれている場所でも時間帯やその中のエリアによっても変わります。夕方以降は公園に立ち入らないようにし、帰宅が夜遅くなる場合は、タクシーを利用するようにするとよいでしょう。

受験までのスケジュール


理想的には出願したい年度の1年前から学校探しを始めると、十分に余裕をもって学校の取捨選択と出願準備を行うことができるといわれています。

<大まかな出願までのスケジュール>

やること
5 ・自己分析を始める

→勉強や運動、課外活動において何を求めるか

→今後数年間において何を経験したいか(例)自立したい、異なる文化を持つ生徒の中に身を置きたい、等)

・広範囲のボーディングスクールを調べ始め、地元の学校と比較してボーディングスクールがどのくらい自分の要求をに合うのかを考える

6 ・もしボーディングスクールが自分に合うと感じたら、10~20校程気になる学校をリストアップし、さらによく調べる

・上記のリストでは、学校を以下の3つのグループに分ける

1、合格可能性が非常に高い学校(安全圏)

2、合格可能性が程々の学校(合格圏)

3、競争率が非常に高い学校(努力圏)

・これらの学校に資料請求する

→パンフレットや映像、テキスト、学校教材の情報を教えてもらう

7~8 ・学校について深く調べたら、自分にとって大事である、という基準に従ってリストを取捨選択していく

→モデルケース:安全圏2校、合格圏2校、努力圏2校の計7校であれば十分に選択の余地があり、かつ受験スケジュールの管理がしやすいだろう

・最終的にリストに残った学校の訪問と面接の予定を立てる

→学校訪問をすることで、パンフレットなどからはわからない雰囲気や校舎を見て、自分に合いそうかどうかの判断ができる

9~10 ・学校訪問と面接を始める

・どの標準化されたテスト(SSATなど)が必要かを学校に確認する

・SSATやISEEなどの学力テストや留学生はTOEFLなどの英語力証明試験の受験登録を始める

・必要な場合は試験対策を始める

・先生による推薦書を集め始める

11 学力試験、英語試験を受験する

・学校訪問や面接で得た情報をまとめる

・エッセイや出願書類の下書きを始める

12 ・エッセイや出願書類を完成させる

・経済的補助の申請書類を書き始める

1~2 ・経済的補助の申請書類を完成させる

・出願書類、経済的補助申請書類を提出する

→締め切りは学校により異なるが、一般的に1月中旬~2月初旬である

3 ・3月初旬:学校の結果通知を待つ

・合格したら、可能なら、もしくは必要である場合は再度学校を訪問する

→最終的に入学する学校を決定する

4 ・4月初旬:どの学校に入学するか決定したら、学校に伝える

<出願に必要な書類>

必要書類は一般的に以下のものが必要となります。

・Student Interests and Essay (エッセイ)

・Parents Statement (保護者のエッセイ)

・SSAT/TOEFL score

・School Report (学校の成績証明書)

・English Teacher Recommendation (英語教師の推薦書)

・Math Teacher Recommendation (数学教師の推薦書)

・Supplementary Recommendation (受験生を良く知る学校外の人物の推薦書)

・Parent’s Financial Statement (留学生、もしくは学費補助を申請する場合、財政証明書)

・On-Off Campus Interview (学内外インタビュー)

留学にかかる費用


ボーディングスクールに留学する場合は、語学留学や公立学校への留学と比べ多くの費用がかかります。一般的に都市部の方が郊外の学校よりも費用が多くかかるといわれています。学校やそれぞれの家庭によりかかる合計額は異なりますが、ここではおおよその目安をご紹介します。

・9~5月の1学年分の学費、寮費、食費:約40,000~50,000ドル(約432万~540万円)

・ESL(English as a Second Language、留学生向け英語補習授業):学校により約10,000ドル(約108万円)ほど追加

・そのほか教科書代お小遣い:約5,000ドル(約54万円)

→合計約55,000~65,000ドル(約594万~702万円)

※1ドル=108円(2019年11月15日時点)

このほかにも、航空券代がかかったり、休暇中の寮以外の場所への滞在滞在費がかかったりなどするため、その経費も視野に入れておきましょう。

入学条件


入学試験における英語力や学力などのはっきりとした基準を公表している学校は非常にまれであるため、出願する際不安になることもあるでしょう。これらも学校のレベルによって大きく異なり、ESLのサポートが充実している学校であれば入学時に英検3級程度でも受け入れてもらえる可能性があります。ただしその場合も、最低限の日常会話ができるようにしておかなくてはなりません。一般的には英検2級程度が求められることが多いようで、TOEFL®やTOEFL® Juniorのスコア提出が必要な場合もあります。

学力に関しては、それまで日本で所属していた学校での成績の評定平均が3.5以上であることが望ましいでしょう。学校によっては、数学・英語の独自試験や、SSATの英語・数学のスコア提出を求められる場合もあるようです。

ボーディングスクールに留学するメリット、デメリットは?


全寮制の教育機関であるボーディングスクールで勉強するメリットとして第一に挙げられるのが、英語でのコミュニケーションを通して築く人脈です。世界中から集まった優秀な生徒たちと長い時間を共に過ごすことで、人との対話力が向上し、一生もののつながりを持つこともできるでしょう。中学から高校時代という時期に様々な文化に触れることにより、早くから国際的な知識・理解を深めることもできるのではないでしょうか。

また、親元を離れ、団体生活をすることで、自立心や規律、礼儀を同時に身に着けることもできるでしょう。少人数クラスでの授業が基本となるため、学習面でも人間性の面でも、一人ひとりの個性を尊重した教育が可能となっているといえます。アメリカのボーディングスクールでの1クラスの平均人数は12名という数字からも、細やかな教育という点がうかがえるでしょう。

デメリットとしては、学費が高額であることや、ホームシックになってしまっても簡単には日本に帰れない、ということがあげられるでしょう。これらが心配な方は、奨学金を探してみたり、サマースクールなどで親から離れて生活する練習をしたりするとよいでしょう。

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