【アメリカ大学】トランプ政権下で留学生が知るべきこと7選
はじめに
近年、米国政府、特にトランプ政権は、留学生のビザ取消や国外退去を加速させており、その対象は些細な違反や政治活動にまで及んでいます。この状況に、多くの大学や専門家が懸念を示しています。
留学生を取り巻く最新の動向と懸念事項
2025年5月22日、米国国土安全保障省（DHS）はハーバード大学の留学生受け入れ認可を取り消すという異例の決定を下しました。理由として、同大学が「反米的かつ過激派的活動を容認し、ユダヤ人学生などへの嫌がらせや暴力が横行している」との主張が挙げられました。これにより、約6,800名のハーバード在籍の国際学生が他大学へ転校するか、米国での法的滞在資格を失う可能性があります。
ハーバード大学はこの決定を「違法な報復措置」として提訴し、連邦判事は同日中に一時的な差し止め命令を出しました。
また、DHSはハーバードに対して、留学生の「違法かつ暴力的な活動」の詳細記録と、過去5年間の抗議活動に関する映像・音声資料の提出を求めています。
抗議活動とビザ取消の関連
このような厳格な措置の背景には、2023年10月7日にガザ地区からイスラエルへの攻撃を行ったパレスチナ系イスラム組織「ハマス」に起因する、中東紛争への学生の抗議活動があります。これを受け、トランプ政権は「反ユダヤ的言動」や「暴力的な抗議活動」に関与したとされる留学生への対応を強化しています。
一例として、トルコ出身のタフツ大学博士課程生Rumeysa Ozturk氏は、2024年に大学の対応を批判する論文を共著した後、マサチューセッツ州で覆面ICE捜査官により拘束され、45日間も移民収容所に収監されました。連邦裁判所はこの拘束を違法と認定し、釈放を命じました。
現在の留学生の状況と注意点
2025年3月時点で、米国内で学ぶ留学生は100万人以上。しかしDHSは、FBIデータベースと照合の結果、約3,000名の学生ビザを取り消したと発表。これは前例のない措置として、各方面から批判を受けました。その後、4月に多くのビザが回復され、5月22日には全国的な差し止め命令が下されています。
とはいえ、今後も不安定な状況が続く中、留学生が自らの権利を理解し、適切に対応することが重要です。以下は、専門家からのアドバイスをまとめたものです。
留学生へのアドバイスとリソース
1. ビザの更新やSEVISの確認を怠らない
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ビザの期限切れや更新忘れは、違法滞在とみなされ、国外退去の対象になります。
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プログラム終了後に滞在を続けたり、転学・住所変更の届け出を怠ることもリスク。
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米国外への渡航前には必ず学校担当者（DSO）に確認しましょう。
2. 法律、特に交通規則の遵守を
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軽微な交通違反でも国外退去につながる可能性があります。
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運転免許や車両登録は常に有効であることを確認し、公共交通機関の利用を推奨。
3. 常に必要書類を携帯する
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パスポート・ビザ・滞在許可証・移民申請の控えなどの携帯が重要。
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トラブル発生時には身元確認が迅速に行われるため、携帯が推奨されます。
4. 緊急連絡体制を整えておく
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弁護士や家族の電話番号を記憶・記録。
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拘束された場合には、ICEの拘束者検索システムを活用。
5. 自身の権利を理解する
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沈黙権・弁護士との面会権・移民裁判での審理を受ける権利があります。
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書類には署名せず、必ず弁護士と相談しましょう。
6. SNSの利用には注意を
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米国の言論の自由は保障されていますが、近年はSNSの内容が政府によって監視される傾向にあります。
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「反米的」と解釈される可能性のある投稿は、身元のリスク要因になることも。
7. 不明な捜査官には身分証明の提示を求める
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ICEやCBP職員は警察と名乗ることがありますが、明確に確認すること。
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常に冷静に行動し、逃げたり反論したりせず、弁護士を要求するのが基本です。
信頼できる支援団体・機関
留学生の未来に向けて
Presidents’ AllianceのMiriam Feldblum氏は「留学生は米国の教育と国際競争力の中核」と述べていますが、現在の不確実な情勢は米国留学の魅力を損なっていると警鐘を鳴らします。
それでも、多くの判決が留学生に有利に進んでいる事実や、ビザ取消率が0.3％未満であることを踏まえると、「米国は依然として学び、成長し、社会に貢献できる良い場所」であると、多くの専門家は希望を示しています。
出典：What International Students in the U.S. Need To Know: Risks, Rights and Resources
https://www.usnews.com/education/best-colleges/articles/what-international-students-in-the-u-s-need-to-know-risks-rights-and-resources
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