【アメリカ大学】合格率から読み解く米国大学合格への近道
はじめに
大学の合格率は、自分が合格できる可能性を測るための大切な手がかりです。
合格率とは、ある年度において大学に出願した学生のうち、合格した学生の割合を示す数字のことです。
この数値は大学の選抜度や出願の競争性を直感的に把握できる便利な指標です。合格率は「ヒント」です。その意味を理解し、どのように調べるかを知ることで、より賢い出願戦略を立てることができます。
本記事では、合格率の基本、調べ方、そして近年の入試トレンドをどのように活用して合格可能性を高めるかを詳しく解説します。
大学合格率とは?なぜ重要なのか
まず基本を確認しましょう。
合格率(Admission Rate)は、ある大学がどれほど選抜的であるかを示す数字です。合格率は毎年、大学の Common Data Set(CDS)で公表されます。
計算式は以下の通りです。
合格率 = 合格者数 ÷ 出願者数
単純な式ですが、この数字は大学の競争度を理解するうえで極めて有用です。
例:ニューヨーク大学(NYU)
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出願者数:110,807人(2023-2024年度)
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合格者数:10,232人
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合格率:約 9.23%
この 9.23% という数字が示すのは、NYUの入学競争の厳しさです。比較のために、同年度の他大学を見てみましょう。
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University of Pittsburgh:49.69%
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Baylor University:50.93%
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Harvard University:3.45%
合格率の数字に惑わされてはいけない理由
合格率が低いと「絶対に無理だ」と思う学生も少なくありません。
しかしこれは誤解です。最大の間違いは「全員が合格のチャンスを持っている」と思い込むことです。
実際には、多くの志願者は競争力のある出願書類を準備していないのです。
特に テストオプション制度 を導入している大学(NYUなど)では、成績や履修内容が足りない学生も出願してきます。さらに「とりあえず出願してみる」学生や、不完全な書類を提出する学生もいます。
こうした「最初から合格の可能性が低い出願」も統計に含まれるため、合格率が下がり、実際以上に難しく見えるのです。
したがって、数字の背後にある文脈を理解することが重要です。
単なる数字ではなく、出願者層・政策変更・出願数の変動を把握することで、合格率をより正しく解釈できます。
合格率を活用して出願校リストを作る方法
合格率は、出願校リストを戦略的に作成するための大きな助けとなります。
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挑戦校(Reach):合格率が極めて低いが挑戦したい大学
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目標校(Match):実力と合格率が釣り合う大学
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安全校(Safety):合格の可能性が非常に高い大学
また、大学全体の合格率だけでなく、専攻別の合格率を調べることが大切です。
例:ワシントン大学(University of Washington)
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全体の合格率:45.52%
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コンピュータサイエンス専攻(州内出身者):28.3%
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コンピュータサイエンス専攻(州外出身者):1.7%
同じ大学でも専攻によって難易度が大きく異なることがわかります。
さらに、複数年の推移を見ることが重要です。ある年に極端に低いからといって、今後もずっとそうだとは限りません。
合格率トレンドを読み解く
単年度の数値だけでは不十分です。過去2~3年の推移を比較することで、その大学が「入りやすくなっているのか」「難しくなっているのか」が分かります。
MIT(マサチューセッツ工科大学)の例
入試年度 | 出願者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022-2023 | 50,060 | 2,289 | 4.57% |
2023-2024 | 51,803 | 2,322 | 4.50% |
2024-2025 | 57,517 | 2,227 | 3.87% |
MITはわずか2年で合格率が4.57%から3.87%に低下しました。
グリネル大学(Grinnell College)の例
入試年度 | 出願者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022-2023 | 9,997 | 1,076 | 10.76% |
2023-2024 | 9,988 | 1,266 | 12.68% |
2024-2025 | 9,758 | 1,416 | 14.51% |
グリネル大学は逆に合格率が大幅に上昇しました。これは入学定員拡大や志願者減少が背景にあると考えられます。
トップ20大学の合格率推移
以下は、トップ20校の合格率の推移です(クラス・オブ2026〜2028)。
データは Common Data Set および大学公式発表を基にしています。
順位 | 大学名 | 2022-2023 | 2023-2024 | 2024-2025 | 変化率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | Princeton University | 5.7% | 4.50% | 4.62% | -18.95% |
2 | Massachusetts Institute of Technology | 4.5% | 4.8% | 未発表 | +6.67% |
3 | Harvard University | 3.00% | 3.45% | 3.6% | +20.00% |
4 | Stanford University | 3.68% | 3.91% | 3.6% | -2.17% |
5 | Yale University | 4.57% | 4.5% | 3.87% | -15.32% |
6 | California Institute of Technology | 2.69% | 3.14% | 2.57% | -4.46% |
6 | Johns Hopkins University | 7.26% | 7.51% | 6.43% | -11.41% |
6 | Northwestern University | 7.21% | 7.22% | 未発表 | +0.14% |
10 | University of Pennsylvania | 6.51% | 5.87% | 未発表 | -9.83% |
11 | Cornell University | 7.26% | 7.90% | 8.41% | +13.68% |
11 | University of Chicago | 5.43% | 4.79% | 未発表 | -11.78% |
13 | Brown University | 5.06% | 5.23% | 5.39% | +6.52% |
13 | Columbia University | 3.70% | 4.00% | 3.90% | +5.41% |
15 | Dartmouth College | 6.38% | 6.23% | 5.40% | -15.35% |
15 | University of California, Los Angeles (UCLA) | 8.57% | 8.73% | 8.96% | +4.55% |
17 | University of California, Berkeley | 11.36% | 11.66% | 11.04% | -2.82% |
18 | Rice University | 8.76% | 7.88% | 未発表 | -10.05% |
18 | University of Notre Dame | 12.91% | 12.38% | 11.26% | -12.79% |
18 | Vanderbilt University | 6.67% | 6.27% | 5.86% | -12.15% |
合格率が上昇した大学の例
以下は、近年合格率が上昇した11校です。
大学名 | 2022-2023 | 2023-2024 | 2024-2025 | 変化率 |
---|---|---|---|---|
Baylor University | 45.89% | 50.93% | 51.27% | +11.07% |
Fordham University | 54.11% | 56.28% | 未発表 | +4.01% |
Grinnell College | 10.76% | 12.68% | 14.51% | +34.83% |
Pepperdine University | 48.72% | 49.86% | 62.85% | +25.32% |
Southern Methodist University | 52.26% | 61.22% | 63.34% | +19.17% |
Texas Tech University | 67.29% | 70.86% | 72.63% | +7.94% |
Tufts University | 9.69% | 10.13% | 11.53% | +17.34% |
University of Pittsburgh | 49.13% | 49.69% | 58.09% | +18.25% |
University of California, Santa Cruz | 47.08% | 61.27% | 65.57% | +32.82% |
University of Vermont | 59.77% | 60.01% | 65.31% | +9.27% |
Villanova University | 23.39% | 25.12% | 未発表 | +7.40% |
出願者が合格率データを見つける方法
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PrepScholarの大学別データページ
合格率・平均GPA・SAT/ACTスコアなどがまとまっており便利。 -
大学公式サイト
「Class Profile」「Facts & Figures」「First-Year Snapshot」などのページに公開されています。 -
Common Data Set
各大学が毎年公開する標準化データ。過去数年分を比較するとトレンドが明確になります。
結論 — 合格率を戦略に変える
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合格率は可能性を測る入口に過ぎない
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専攻別・複数年の推移を確認することが必須
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政策変更や出願者層の質を考慮しなければ数字は誤解を招く
合格率は単なる数字ではなく、戦略的に出願を計画するための強力な武器です。
アメリカ大学合格を目指す皆さんは、数字の「裏側」を読み解き、データを味方につけてください。
出典:
https://blog.prepscholar.com/college-acceptance-rates
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