効果的なオンライン授業への10の手引き

こんにちは。JNLL受付です。
今週は先生の目線で授業をどう行うべきか考えてみたいと思います。学生にとっても、オンライン授業をもっと有意義にするヒントを見つけられるかもしれません。

昨春、COVID-19のおかげで高度教育は一斉に現場からオンラインへと変わり、教えることも学ぶことも完全にオンラインの環境へ移行しました。振り返ると順調であるとはあまり言えませんでした。学生は揃ってリモート授業を嫌がり、学部も確かに喜ばしいとは言えませんでした。

春学期が始まって、学生たちは突然家に帰され、講師たちはオンライン授業へと授業を変更する為に這い回りました。バーチャル大学への試みが失敗したのは意外なことではないでしょう。

オンライン教育が一般的ではない、ということではないのです。2019年秋に2400万人の学生、もしくは国全体の15パーセントの大学生が完全にオンラインで授業を受け、そのほかの3600万人の大学生はオンラインコースを少し受けつつ、キャンパスで授業を受けました
パンデミックに誘発されためまぐるしいバーチャル学習への殺到が回復して逆戻りを見せるかもしれないと同時に、確かに業界が徐々にバーチャル学習の方向に転換していっているということを示します。

それはそれで良いのです。私も本来はすぐに馴染んで受け入れるタイプではないのですが、現在オンラインで13年間教えていてうまく転換出来ました。多くの学者と同じように、私も博士号を取ってすぐに教鞭を取り始めました。典型的な教室で、ライティングを教えていたのです。私の教え方は自分が大学や大学院生の時の教授の教え方を手本にしています。

6年後、オンラインで教える機会を頂きました。自分がオンラインコースを受けたことが無かった為、どうやって授業をするか全く参考にできるものもなく、別の世界に羽ばたく為に新しいことを学ばなくてはいけなかったのです。それからずっと学び続けていますが、ここでオンラインの環境に初心者の教員たちの助けになるよう、いくつかの見識をシェアしたいと思います。

授業マネージメントシステムはそれぞれ異なる為、これらの情報は教育技術の特定の面に対応しているわけではありません。代わりに、人を惹きつけ、実りが多く、記憶に残るような学習体験を生み出す、より思考的なアイデアをお教えします。また、これらの提案は特に個別の学習に適応しており、リアルタイムのZoomやGoogle Meet classrooms用ではありません。

以下が効果的なオンライン指導への私の10の手引きとおまけの情報です。

1. オンラインでの受講ツールに親しくなる

CanvasやBlackboardといった受講システムはとても直感的ですが、初めは恐れてしまうものかもしれません。自身の大学のオンライン指導要領を使用してください。どうやって構成されているか参考にしてみてください。

Canvasでの私の授業は週単位に分かれており、それぞれ一つずつトピックを扱い、リーディングやメディア素材、ディスカッションフォーラムや該当する場合は課題用のドロップボックスなどを使用します。

どのように自分の授業を展開していきたいかも考えてください。学期の最初から、もしくは各週や履修の最初からずっとディスカッション形式を取りますか。私だったら後者を選び、学生が手元のトピックに集中できるようにするでしょう。成績はどのように管理するのでしょう。また、大勢の授業ではどのようにZoomやその他のリアルタイムツールを使うのでしょう。

2.トラブル解決方法を決める

学生は授業を超えてあなたの”コンサート”に来るのです。
学生たちは授業自体だけでなくそれ以上の心配を抱えて授業に参加するので、正しい方向を指し示してあげることで学生たちも安心できるでしょう。手段としてはITサポート、申し込みの方法、学費面のサポートオフィス、図書館、学習面での指南、オンライン指導、そして論文に関するアドバイスなどです。

これらの情報はシラバスのテンプレートに入っていることもあるので、学生たちが何を活用することができるのかよく知るようにしておいてください。

3.導入とつなぎを簡単にする

コースを始めるにあたって(もし可能ならその前に)、ディスカッションフォーラムを作って自身の自己紹介をして、学生にも自己紹介をしてもらいましょう。学生たちがどこに住んでいるのか、何年生なのか、何を専攻しているのか、何かクラブや団体に参加しているのか、また趣味や興味があることなど、緊張が解けるような質問をしてみましょう。

学生たちもお互いを知ることが出来、関係性を気付くことが出来るでしょう。お互い初めてのオンライン授業なのか聞いてみて、もし初めての場合はアピールしてください。共感しあえることはとても大切です。

私はいつも授業外で「学生ラウンジ」というフォーラムを作って、学生生活、受けようか考えているコースやもうすでに受けたコース、課外活動、インターンシップや就職について、大学院進学、さらにはNetflixの最新作についてまで学生たちが話し合えるようにしています。

4.学生に対して何を望むかを明らかにする

学生たちに自分が何を期待しているのかをすぐに話し、コース中も適宜伝えるようにしてください。コースの最終的な結果は何を目指しているのでしょうか。学生はどんな課題をこなさなくてはならないのでしょうか。どのくらいの頻度でフォーラムに投稿するべきなのでしょうか。良いディスカッションとは。もし必要な場合、学生同士がどんな共同作業をするのでしょうか。成績はどのように決まるのでしょうか。

これらのことはシラバスに書いてあるはずですが、学生が絶対に読むとは限りません。また、どのように課題を提出してほしいかも伝えてください。私は、校正したり、コメントを入れたりすることが出来るのでWordドキュメントで提出してもらうのが好きです。コース中頻繁に学生とコミュニケーションを取っても、必ず学生はPDFファイルで提出してきたり、困ってしまいます。リマインドしすぎるに越したことはないのです。

5.自ら積極的に参加

「積極的に」という言葉をどう定義するかは訳し方の問題ですが、ファシリテーター役としてオンライン授業に携わっていながら、リーダーのポジションにただ単に乗じているというのは許せません。私はただ単に学生にディスカッションをさせて、時々茶々を入れるということはしません。学生と一歩一歩共に進めていきます。自分自身がより深く携わっただけ、学生たちもより引き込まれるのです。

学生からの投稿には全て返事を返しますし、必要があれば学生自身の意見について詳しく説明させたり、別の見解を考えさせたりします。それぞれのコースの初めに、先週のディスカッションの振り返り、次週何を学ぶことの概要、差し迫った課題や締切のリマインドをするために投稿したり、ビデオを撮ったりします。学生を評価をしたり、励ましたりするのは大変なことなのです。

6.いつでも話しかけられる状態である

質問や心配事は頻繁に上がってきますし、それに対して素早い答えがもらえないと学生たちはストレスを感じます。私は課題、ディスカッション、成績、またその他コースに関することについて、素早くEメールで返事をしたり、フォーラムに投稿します。急な用事があるときにメールをしたり、電話が出来るように携帯電話の番号を教えることもあります。5,6日から成る週単位の授業を計画する教授もいますが、私自身は休みを取らないようにしています。毎日オンラインでいるようにしているのです。土曜日に10分間飛び込みで質問に答えることも、学生にとっては役に立つのです。

7.全員を引き込む

教室の後ろの列に隠れて、頭を上げず、アイコンタクトを避け、意見を言おうとしない学生たちはどうやら気付いているかと思います。オンラインでは、後ろの列、など存在しません。

学生の数を数えてそれぞれちゃんと参加しているのか追跡することは簡単であり、一般的に成績の多くの割合を占めるのは投稿することであることを考慮すると、クラスに参加することは重要なのです。学生が数日間ログインや何も投稿をしていない時、何か問題が起きているのかなと調べるようにしています。

クラスの受講人数が少なければ、15分間一対一で学生と進度や気になる点について話します。当然授業時間は守ります。最終的に、もし学生が参加したくないと思うときは私が彼らを引き込むことが出来なかったからという訳ではありません。最終的に、学生が参加しなくても、それは私が学生を引き込まなかったせいではないのです。

8.学生同士でお互いに学ばせる

仲間同士で学ぶことは、オンラインコースにおいて特徴的なことです。フォーラムの投稿に対して返事をするとき、議論的な視点を持って自分の意見を突き通すように指示します。こういった会話は敵と味方に分かれるディベートだと、よく活き活きとします。

その他の手段として、一人二人の学生に週ごとにフォーラムを仕切ってもらい、ファシリテーターとしての責任を持ち、継続して監督と指図を怠らずにディスカッションを促すように指示しています。1時間ほど続く対面の教室でのディスカッションのようではなく、何日も続き、ありふれた手段を取らない、どんどん掘り下げられたものになっていきます。

9.音声や視覚メディアを使用する

現在、教室内で授業をする際には基本的にメディアや、スライドショーやインフォグラフィックからパワーポイント、そしてYouTubeを使用します。オンライン授業ではこれらのツールを活かすことは最優先なのです。

自分のプレゼンでは、筆談をやめてオーディオやビデオを積極的に組み入れてください。同様に、異なったやり方で学習している学生に受ける様々なメディアソースを使ってリーディングマテリアルを補ってください。(必ず先立ってリンクをダブルチェックしてください。) 学生はしばしばネットの教師のアクセスできない範囲で関連情報を検索し、クラスでシェアし、知識のトンネルに一緒に引きずり込み合います。

10.フィードバックを求めて活かす

学生からのコースの評価は、特にオンライン授業にあまり慣れていない場合は、何が良くて何が悪かったのかを評価するという点で定着しており、とても有効でしょう。

学生はコースQ&Aフォーラムでコース全体、課題、成績について質問することができ、クラスメートが加わることもできます。現況がどうなっているかをリアルタイムで評価できるのです。

おまけ:楽しむことを忘れないで

学生にとっても教師にとっても、お互い離れて画面を見つめるということは気力を失いかねないかもしれません。これを教育的であると同時に楽しいものにしようと工夫してみませんか。自分の映り方や存在に個性を入れてみるのです。ユーモアを混ぜてください。折々少し変わった内容のリンクを入れてもいいのです。

バーチャル寄席演芸のようなことをする必要はないですが、自分自身が授業を楽しんでいるように見せることができたら、学生もきっと楽しむことができるのです。

記事:MARK J. DROZDOWSKI, ED.D. 10 Tips for Effective Online Teaching. <https://www.bestcolleges.com/blog/online-teaching-tips/>