SATとACTの10の違い【アメリカ留学】
SATとACTの違いとは何でしょう。
どちらかを受ければいいのか、もしくは両方受けるべきなのでしょうか。
殆どの大学はSATもしくはACTのスコアを受け付けているので、SATだけ、ACTだけ、もしくは両方受けるべきなのか迷うところでしょう。ACT、SAT共にスコア提出を要求しない大学さえも増えてきています。一方で、ACTを受けてもSATのsubject testは受けなくてはならないことが分かるでしょう。2015年度のKaplanの調査によると43パーセントの大学受験者はSATとACTの両方を受験しています。
多くの学生はACTとSATにおいて同じくらいの成績を収めます。
しかし、両方のテストは異なった内容と問題解決スキルを評価するので、片方よりどちらか片方の成績の方が良いということも起こりえます。2つのテストの違いをご紹介します。
1. ACTとSATは、能力テストか適正テストなのか
SATは元々適正テストとして作られました。推理力や言語能力を視るもので、学校で何を学んできたかをテストするものではありません。勉強によって適正というものを変えることはできないので、SATは勉強をして備えることはできません。
一方でACTは能力テストです。今まで学校で学んできたものをテストするものです。
しかしながら、この「適正」と「学力」の違いは曖昧なものなのです。SATに備えて勉強することが出来るという具体的な証拠があります。2つのテストは徐々に似たようなものになってきました。2016年に始まった新SATテストは初期のSATよりも、はるかに能力テストに近いものになっています。
2. テストの長さ
ACTテストは215問あり、選択制でエッセイも受けることができます。新SATは154問と新しく選択制のエッセイも追加されました。ACTのエッセイを除いた実際の試験時間は2時間55分に対して、SATの試験時間は3時間でさらにエッセイを受ける場合は50分追加されます。
ACT、SAT共に休憩を挟むので実際の試験時間は少し長くなります。SATは試験時間が若干長くなるので、ACTよりも一つ一つの設問にかけられる時間がより長くなります。
3. 【ACT】Science
2つのテストの大きな違いはACTのscienceセクションです。生物学、化学、物理学、また地球科学を含みます。しかしながら、ACTで良い点数を取ろうよと理科のエキスパートになる必要はありません。これはグラフや科学的仮説や研究概要を読んで理解できるかを評価するものです。
Critical readingで高い点数を取る学生は、しばしばScience Reasoning Testでもよい成績を収めることができます。
4.. Writingスキルの差
文法はSATでもACTでも大変重要で、どちらかの試験を受ける学生は主語/動詞一致のルール、正しい代名詞の使い方、切れ目なく続く文章の見極め方などを知っておく必要があります。
しかしながら、両方のテストの重点は若干異なります。ACTはより句読点に重点を置き、修辞法も含みます。
5. 【ACT】三角比
SATには無いものの、ACTには三角比について問う設問が幾つかあります。とても基本的なものです。sin、cosについて理解してから試験を受けるべきでしょう。
6. 【旧SAT】推測で解答すると結果に響くペナルティー
以前のSATは行き当たりばったりで解答すると結果に響いてしまうように作られていました。もし一つ以上解答の選択肢を消すことが出来たら、推測で解答しても良いでしょう。そうでなければ解答は空白のままにしておきましょう。この形式は2016年3月に廃止されました。もうSATにおいて、推測で解答することのペナルティーは無くなったのです。これは多くの学生を混乱させていた点でもありました。現在は解答を空白にしておくより、自分が違うと思う全ての選択肢を除いた後、推測で解答することの方が良いとされています。
ACTには常に推測で解答することに対してのペナルティーはありません。
7. エッセイの違い
多くの大学出願に必要ではあるものの、ACTのエッセイ受験は選択制でです。最近までSATのエッセイは必ず受けなくてはならないものでした。現在は再び選択制になっています。もしどちらかのテストでエッセイを受験するなら、エッセイの試験時間はSATなら50分間、ACTは40分間です。
ACTはSATと比べると、より潜在的に議論されている問題に対して立場を明確にし、エッセイのどこかで反論することを求められます。新SATのエッセイで求められのは、まず文章を読み、精読しながら筆者が述べている要旨を説明することです。
8. SATボキャブラリー
SATのcritical readingセクションは、ACTの英語セクションよりもより語彙に重点を置いています。もし英語が得意でも語彙が豊富でない場合はACTを受験する方が適しているでしょう。SATを受ける学生とは異なり、ACTを受験する学生は単語を暗記したことによって点数を上げることは出来ないのです。
しかしながら、最近のSATの改定により、極めて珍しい単語よりも、一般的に使われている単語についてテストされます。(例えば”pertinacious頑固な”の代わりに“obstinate頑強な”という単語を使用するなど)
9. 構成の違い
SATは受けるにしたがって、だんだんとレベルが上がっていくのを感じるでしょう。ACTの問題の難易度はより一定的です。また、SATの数学セクションには手書きで解答する問題があるのに対して、ACTの数学セクションの出題は全て多肢選択方式です。両方の試験とも選択制のエッセイは最後に出題されます。
10. 採点の違い
二つのテストの採点基準は全く違うものです。SATの各セクションは800点満点なのに対し、ACTの各セクションは36点満点です。この違いは特に問題ではありません。スコアは重要なものですので、それぞれのテストで完璧なスコアを目指すことは同等に難しいことです。平均的なSATのスコアは500点、ACTは21点です。
大きな違いとして、ACTでは他の受験者に対して自分のスコアがどう匹敵するのかを表す総合スコアを出します。SATは各セクションで独立したスコアが出されます。ACTに関しては、出願校は大抵それぞれのセクションのスコアよりも総合スコアを重視します。
出典:”Kaplan Test Prep Survey: Among Parents of College Applicants, 43% Say Their Child is Taking Both the SAT and the ACT.” Kaplan, Inc., The Graham Holdings Company, November 5, 2015, New York, NY.
元記事:ThoughtCo. Allen Grove. 10 Differences Between the SAT and ACT Exams.
https://www.thoughtco.com/differences-between-sat-and-act-exams-788714