留学インタビュー (17) University of California, Riverside

皆さんこんにちは。JN Language Labです。

今回ご紹介する生徒様は、University of California Riverside(以下UCR)に通うD.S.君です。幼少時代を中国で過ごしていたD.S.君は、中学生の時点で日本語と中国語を話すバイリンガルでしたが、高校2年生からTOEFLとSATの勉強に励み、彼にとって第三か国語である英語を米国大学合格に相応しいレベルに到達させました。

勤勉なD.S.君ですが、それでも、大学のハードな授業内容に苦労しているそうです。
話を聞いていると、D.S.君含め、大学生たちが勉強にどれだけ熱心に時間を費やしているかに驚かされます。単位が取得できなければ卒業できないのはもちろんですが、遊ぶ時間を惜しんででも勉強する、そのハングリー精神は、どこから生じるのでしょうか?


【インタビュー(17)-D.S.君/University of California, Riverside(取材は2014年、D.S.君は大学1年生)


現在、D.S.君はビジネスを専攻しています。ミクロ経済、マクロ経済、社会学などビジネス関連の授業を受講してきたそうです、いずれの授業も、事前知識が無くても(専攻しようとしている分野に関する知識を、身に付けてから大学へ入学しなくても)全く問題なかったそうです。事前知識の有無に関しては、実に多くの方々が疑問に思うポイントですが、心配しなくても大丈夫だということなので安心ですね。

しかし、勤勉な彼がUCRで少々苦戦している授業があるとのこと。それは、1年生の必須科目となっているライティング技能のプログラムです。D.S.君いわく、この授業の成績の付け方がPassかFail(合格か不合格)の2択しかなく、とても厳しく英語が指導されるので、アメリカ人でも苦しんでいるクラスだそうです。

UCRのオフィシャルウェブサイト上にも、必須技能英語プログラム(Entry-Level Writing Requirement)についての記載がありましたが、この授業は大学1年生のある一定の時期までに単位を取らなくては、その次の学期には進めない、要は学籍簿から剥奪される規定があると記されているほど、大学にとっても在籍する学生にとっても、とても重要なプログラム(core program)だといえます。

そのため大学側としても、この必須プログラムの単位を大学1年生を始める前に取ってしまうことを推奨し、その方法をいくつかウェブサイトにて紹介しています。例えば、SATⅡやAP試験などの公式試験を受験したり、他のカリフォルニア大学にて開講されている専用コースを夏休み中の間に受講したりして、大学側が求めるスコア、もしくはそれ以上の点数を取り、それをもって単位取得となるそうです。事前に単位を取っておくことによって、それに充てるはずであった時間を別の授業や勉強時間に使うこと出来ますし、それ以上に単位を落とす不安も解消されます。

アメリカの大学は熱心に勉強をしなくては単位を取得することが難しいと一般的にはいわれています。D.S.君は、現在(インタビュー時)、1年生にしては多い17単位分の授業を取っています。勉強に費やす時間も長く、授業のない週末でも、土曜日の日中に友人などと気晴らしをしに出かける以外の時間は勉強にいそしんでいるそうです。クラブ活動やコミュニティサービスなどの課外活動の参加はしておらず、現在は学業を優先しているそうです。日本の大学で、アルバイトやサークル活動に明け暮れている生徒とは大違いですね。

なぜ米国大学の学生は勤勉なのか、その直接的な理由としてあげられるのは、学生の評価として割り出されるGPA*の数値が、卒業後の進路に大きな影響力があるからでしょう。将来の可能性を最大限とするために、GPAを出来る限り高く保ちたいという望みが、懸命に勉強に取り組む姿勢に繋がっているのだと言えます。

(*GPA (Grade Point Average)とは、各科目の評価をA、B、C、D、Fの5段階評価とした時に、Aを最高点の4点、Fを最低点の0点としたときの平均点のことをいいます。

アメリカ社会は、成績と共に課外活動などの功績も含めた、相対評価で学生を判断するものだと思われがちです(義務教育期間中はあながち間違いではありません)。しかし、学部課程で取得するGPAの点数が、大学院進学や企業の採用試験を受けることが出来る、ある種の「資格」となります。GPAが足りなかったがために進学試験が受けられなかったというような悔しい思いをしないためにも、大学の授業では優秀な成績を収めようと勉強熱心な学生が多いのでしょう。

この共通の認識(GPAの重要性)と高いGPAを取ろうという目標があるからこそ、勉強しよう、勉強しなくてはならない、という気持ちが自然と湧き出てきます。意識が高い人間が集結しているからこそ、より勉強に適した環境が米国大学には整っているのだと言えます。


さて、D.S.君の今後ですが、UCRを卒業してすぐに就職するか大学院へ進むかはまだ決めていないそうです。UCRでは勉学に力を注いで、輝く未来を手に入れて頂きたいと願っています!

(更新)JN Language Lab-K

 

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