留学インタビュー (18) Occidental College
皆さんこんにちは。JN Language Labです。
今回は、オクシデンタル大学(Occidental College)にて繊維科学を学んでいる当校のOB、T.T.君のお話をシェアしたいと思います。
学生はどのような環境の中で学んでいるのか、大学の特徴について詳しく教えて頂きました。
【インタビュー(18)-T.T.君/Occidental College】(取材は2014年、T.T.君は大学1年生)
オクシデンタル大学(Occidental College)は、日本人にとってあまり馴染みのない大学名かもしれませんが、創立125年以上の西海岸で最も古いとされているリベラルアーツカレッジで、あのオバマ大統領が2年間通ったことでも有名です。
立地に恵まれ、カリフォルニア州の最大都市ロサンゼルスのイーグルロックという地域にたたずんでおり、古くから伝わる歴史や伝統と最先端の文化に触れることができ、他の大学と比較しても、濃厚で豊富な体験や経験をすることが可能な大学だと言えます。在籍人数が約2000人程の小規模の大学ですが、国籍・人種・民族・伝統・宗教・歴史などの面においても、様々なバックグラウンドを持った学生が多く集まっているそうです。
T.T.君が在籍する1年生(2014年時点)では、日本人の数はたったの4名と少ないですが、これはとても大きなチャンスだと言えるでしょう。
何故なら、生徒数の多いマンモス大学では在籍人数の分だけ多様性がありますが、意図的もしくは自然と、似たバックグラウンド同士が集結してしまう可能性があり、海外留学の醍醐味である異文化交流の機会を失ってしまうこともあり得ます。
最初からコンパクトかつ濃密である多様性環境であれば、それぞれの多様性グループを代表とする人数が少ないので、それらの小さなコミュニティの中だけで学生生活を続けることは難しく、自然と溶け込んでいくことができる、もしくはそうせざるをえない必要性に迫られるでしょう。
また、同大学ではクリティカルシンキングが根深くありますので、
例えバックグラウンドの相違から生じた対立が発生したとしても、
本質的な部分を掘り下げつつ答えを導き出していく力が身に付きます。
不意に思い浮かんだ疑問を自分自身で、もしくは周りの学生と共に答えを編み出していくという能力は、大学を卒業してからの人生で最も役に立つ大切な力となることでしょう。
一方、T.T.君いわく、この大学ではプライベートスクールならではの品格が備わった学生が多い印象があるそうです。T.T.君も、高校からアメリカのボーディングスクールに通いこちらの大学へ進学しましたが、そのような環境で育った学生が多く在籍しているため、その生活から養った価値観や共通の認識が周りと自分を結ぶ共通項としてあるので、安心感を得たそうです。
一つ、以前オクシデンタル大学に大学訪問へ伺った女性が体験した心温まる出来事をご紹介します。
彼女がカフェテリアでランチを食べようとレジへ並んだ際に、「前に並んでいた女子学生が、あなたの分のお支払をしてくれましたよ。」とレジ担当者から告げられたそうです。女性が急いでその生徒にお礼を告げると、「食券が余っていたので気にしないでください。ランチを楽しんでください。」と微笑みながら返したそうです。
あくまでも一例ではありますが、心が豊かではないと、このような行動を起こすことは到底難しいと思います。
オクシデンタル大学の学生たちは、ロサンゼルスという、華やかでエッジが効いた、流行と伝統文化が共存する街で、のびやかで大らかな人間教育を受けることができるという印象を抱きました。
逆にパブリックスクールで顕著に見られる劣等感によって生じるせめぎ合いやハングリー精神がむき出してガツガツしているという雰囲気は、あまり見られないかと思います。
今回お話しをお伺いしたT.T.君は、繊維科学を専攻しており、将来はご実家の事業を継ぐ予定ではありますが、卒業後は一度就職して企業で働いてみたいと語ります。
社会へと一歩踏み出すことによって、その実態を肌で感じ、じっくりと観察することが出来ます。ここで、大学で養われたクリティカルシンキングが大いに役に立つことでしょう。洞察力を研ぎ澄ませ、自分が今後引き継ぐ事業の方向性をイメージする時間を設けるという意味も含めて、大学卒業後に一度社会に出るという選択は賢明な判断だと思います。
事実、米国大学卒業生の多くは、大学院へ進学する前に一度就職し、
社会人経験を積むというケースが多くみられます。
T.T.君も社会人経験を経た後は、大学院進学、MBA取得を考えているそうです。
今回の取材を通して、大学の勉強内容が多かったり難しかったりして辛いと感じることがあったとしても、真っ直ぐと目標を見つめる眼差しが煌めき、彼が凛々しく逞しく成長していることがこちらに伝わってきました。
誰一人として同じ人生を歩むことはありません。
これから受験を考えている生徒様の未来が、T.T.君や、これまでご紹介したJNLLのOB・OGのように輝かしいものであることを願っております。
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