【アメリカ大学】どの米国大学に入学するかは果たして重要であるのか

はじめに

近年、エリート大学への入学はますます狭き門となり、多くの学生とその保護者が、名門大学のひとつに入学するために全力を注ぎ、大きなプレッシャーを感じています。その背景には、「一流大学を卒業すれば、将来の成功が約束される」という信念があるのでしょう。

確かに、エリート大学には優秀な学生が集まる傾向がありますが、こうした大学に通うことが本当に職業上の成功に直結するのでしょうか?この記事では、「どの大学に行くかは重要なのか?」という問いに対し、エリート大学進学の利点と限界の両面から考察していきます。


エリート大学とは?

ここで言う「エリート大学」とは、アメリカ国内で最も選抜性が高く、社会的評価も非常に高い大学を指します。たとえば、アイビーリーグ各校、マサチューセッツ工科大学(MIT)、スタンフォード大学、シカゴ大学などがその例です。より網羅的に見るなら、米国『U.S. News』誌が発表する全米大学ランキングの「総合大学トップ15および「リベラルアーツ・カレッジ トップ5」に含まれる大学が、それに相当するといえるでしょう。


進学先が重要とされる理由

1. 将来の成功に直結する可能性

エリート大学に進学する最大のメリットは、将来的な経済的・職業的成功との相関がある点です。平均して、エリート校の卒業生はより高い収入を得ており大学への投資効果も高いことが示されています。

  • アメリカの学部卒業生全体のうち、トップ校を卒業しているのは2~5%に過ぎませんが、

    • フォーチュン500企業のCEOの38%

    • 億万長者の44.8%

    • Forbes誌「世界の影響力ある人物」のうち、男性の85.2%、女性の55.9%はエリート大学出身者です。

2. 卒業率の高さ

名門校は、入学後の卒業率が非常に高いことでも知られています。たとえば、ハーバード大学の卒業率は98%。対照的に、マサチューセッツ大学アマースト校では76%、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校では41%にとどまります。

この差の背景には、以下のような要因が考えられます。

  • 学生の学力やモチベーションが高い

  • 手厚いサポート体制

  • 経済的・社会的に恵まれた環境

3. 低所得層への強いインパクト

低所得の学生ほど、エリート校進学による恩恵が大きいというデータもあります。ある研究では、最難関校に入学できる力を持つ学生が、ややレベルの低い大学を選んだとしても、多くの場合収入には大差がないとされていますが、経済的に不利な学生にとっては、エリート校を選ぶことがその後の人生に大きく寄与する可能性が高いのです。


進学先が重要でない理由

1. 成功に必要な資質は大学ではなく自分自身

どの大学に行くかよりも、個人のスキル・経験・努力・倫理観が重要であるという考え方も根強くあります。たとえば、トップ校に合格したものの他の大学を選んだ学生が、トップ校の卒業生と同程度の収入を得たという調査結果もあります。

また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の調査によれば、大学の名声が将来の年収に影響するのはビジネスやリベラルアーツ専攻の学生に限定されており、STEM(理工系)専攻の学生に対してはほぼ無関係とのことです。

2. 高額な学費とのトレードオフ

エリート校の学費の高さは、将来の収入増加分で相殺されるとは限りません。

例:
スタンフォード大学(2015-16年):年間65,177ドル
UCLA(同年・州内生):年間32,289ドル
→ 4年間で12万ドル以上の差。

仮にスタンフォード卒の方が年収2,000ドル高かったとしても、その差額を回収するには60年以上かかる計算になります。ただし、エリート私立校は給付型奨学金が非常に手厚いため、実際の自己負担額は異なる可能性が高い点にも注意が必要です。


結論:どの大学に行くべきかは「あなた次第」

最終的に、「どの大学に進学するかが重要かどうか」はあなたの目的や背景に依存します

  • 起業家・CEO・政府高官などを目指す人には、エリート大学が有利に働く可能性があります。

  • 理系研究職や教育職などを目指す場合には、進学先による収入差はそれほど大きくないかもしれません。

  • 低所得層の学生にとっては、最も選抜性の高い大学に進学することで、将来の展望が大きく広がる可能性があります。

また、比較する学校によっても差は大きく異なります。スタンフォードとUCLAの差は小さいかもしれませんが、スタンフォードとカリフォルニア州立大学ロサンゼルス校の差は、卒業率や平均年収という点で顕著です。


あなたにとって最善の進路を選ぶために

最も大切なのは、あなた自身の努力と目標への姿勢です。どの大学に行っても、真剣に取り組めば、CEOにも医師にもエンジニアにもなれます。

大学を選ぶ際は、

  • あなたのニーズに合った大学かどうか

  • 希望する専攻分野での実績

  • 同じような背景を持つ学生の卒業実績や職業的成果

などをよく調べることが重要です。
たとえば、ユタ大学は全米ランキングでは115位ながら、ビデオゲームデザインでは全米屈指の名門校です。ゲームデザイナーを志すなら、プリンストンやイェールよりもユタ大学が正解かもしれません。

自分の夢に合った大学を、自分の目で探してみましょう。

 

出典:Does It Matter Where You Go to College?
https://blog.prepscholar.com/does-it-matter-where-you-go-to-college

「中学生・高校生対象:米国大学進学対策 個別相談(一部国内大学国際系大学も含む)」

進学までの準備、レベル、必要な要素、試験、面接対策などについて1時間でご説明します。

【実施方法】ご来校(対面)・オンラインどちらでも可。
【対象】当校で受講検討の中学生・高校生またはその保護者様。
【費用】無料。

こちらよりお申込み可能です。