【アメリカ大学】資金力のある米国大学ランキング25選

はじめに

アメリカの大学基金（エンダウメント）とは何か？

アメリカの大学におけるエンダウメント基金の歴史は、マサチューセッツ州にある Harvard University（ハーバード大学）に始まり、1636年まで遡ります。しかしその後すぐに急拡大したわけではありません。産業革命以降、民間の富が急増したことで、大学への寄付や資産運用が拡大し、19世紀後半以降、大学のエンダウメントが急成長するようになりました。こうした税制上優遇された寄付金、資産、運用益を大学側が長期的に育て、教育・研究・学生支援などに活用する仕組みが、現在の大学エンダウメントの基礎です。エンダウメントの規模は大学によって千ドル規模から数十億ドルにまで及びます。

以下は、2024会計年度末時点で、報道機関 U.S. News & World Report のデータ（2025年8月22日時点受領）に基づき、エンダウメント資産額が約 35.3 億ドルを上回る 私立大学 25 校をまとめたものです。

エンダウメント資産ランキング（FY2024末時点）

学校名	総エンダウメント額（2024年度末）	学部学生数（2024年秋時点）
Harvard University (MA)	US$ 53,235,205,000	6,979
Yale University (CT)	US$ 41,441,645,000	6,758
Stanford University (CA)	US$ 37,631,059,000	7,554
Princeton University (NJ)	US$ 33,401,865,000	5,709
Massachusetts Institute of Technology (MA)	US$ 24,572,716,000	4,535
University of Pennsylvania (PA)	US$ 22,347,948,000	10,013
University of Notre Dame (IN)	US$ 18,245,327,000	8,818
Johns Hopkins University (MD)	US$ 13,063,073,000	5,693
Emory University (GA)	US$ 12,396,185,000	7,298
Washington University in St. Louis (MO)	US$ 12,006,026,000	7,857
Duke University (NC)	US$ 11,889,994,000	6,442
Northwestern University (IL)	US$ 10,981,265,000	9,035
Vanderbilt University (TN)	US$ 10,247,727,490	7,208
Cornell University (NY)	US$ 10,177,681,427	15,995
University of Chicago (IL)	US$ 9,124,340,657	7,503
Dartmouth College (NH)	US$ 8,273,315,722	4,474
Rice University (TX)	US$ 7,931,811,000	4,776
University of Southern California (CA)	US$ 7,589,079,000	20,443
Brown University (RI)	US$ 6,718,785,000	7,226
New York University (NY)	US$ 6,651,982,030	28,663
California Institute of Technology (CA)	US$ 4,228,841,000	987
Boston College (MA)	US$ 3,908,450,339	9,654
Georgetown University (DC)	US$ 3,638,443,000	7,495
Amherst College (MA)	US$ 3,549,576,398	1,911
Williams College (MA)	US$ 3,530,439,948	2,071

エンダウメントの意味と使われ方

エンダウメントとは、税制上優遇された寄付金、資産、投資による運用益の集合体であり、大学の教育・研究・学生支援（奨学金など）・施設維持などに用いられます。(AdmissionSight)
2024年度の報告では、アメリカ全体の大学・関連財団のエンダウメント資産総額は約 8,737 億ドル に上り、2023年度から 340 億ドル超の増加がありました。(フォーブス)
特にエンダウメントの大きな大学では、学費だけでは賄えない研究費や学生支援、キャンパス整備、教員の確保などを、こうした資産運用と分配によって安定的に支えている点が特徴です。

なぜ「私立大学」にこれほど大きなエンダウメントが集中するか

多くの私立大学、とりわけ名門校は、歴史的に富裕層や卒業生・支援者からの寄付を受けてきた実績が長く、結果として膨大な寄付金・基金を蓄積してきました。これは公立大学にはない資産基盤です。
また、私立であるため学費だけに依存せず、エンダウメントからの収入で奨学金や研究支援の充実、施設の維持・拡充、教員の確保などを行える自由度があります。
これにより、学生数が少なくても（あるいは学生数が多くても）質の高い教育・研究環境を維持する基盤となっており、特に少人数精鋭型の大学（例えばリベラルアーツ系など）では、1 人あたりのエンダウメント額が非常に高くなる傾向があります。実際、過去には一人あたり 100 万ドル以上のエンダウメントを持つ大学もありました。

近年の大学基金の運用とその背景

エンダウメント全体として、2024会計年度には平均 ネットで 11.2% の運用リターン を記録。2022年の -8.0% から回復した。(フォーブス)
このような運用益があるため、良好な市場環境を背景に多くの大学が奨学金の拡充、教職員の確保、研究投資、設備更新などを進めやすくなっています。
しかし、エンダウメントの運用は株式、ヘッジファンド、不動産、プライベート・エクイティなど多様な資産で構成されており、マーケットや経済状況の影響を受けやすい — つまり、高い収益と同時にリスクも伴います。

出典：25 Private Universities With Large Endowments
https://www.usnews.com/education/best-colleges/slideshows/private-universities-with-large-endowments