【海外進学】出願エッセイの書き方

こんにちは。JNLL受付です。

今週は出願エッセイの書き方について見ていきたいと思います。

大学に出願するエッセイはライティングのスキルを証明するだけでなく、出願者の気持ちを直接訴えることのできる唯一の機会なのです。つまり、テストのスコアや成績証明書とは異なり、出願エッセイは学生に自分の個性を披露することが出来る機会が与えられているということです。

カリフォルニア州にある、ポモナカレッジの上級副学部長兼入学理事であるAdam Sapp氏は「出願エッセイは学生が入学事務局に直接話す機会であるという意味合いでエッセイは重要です」と述べました。入学を希望する学生は自己表明とまで言われる自らのエッセイが希望する大学に対し、良い印象を与え、少しでも合格の可能性を上げたいと考えるでしょう。

しかし、数百字と限られた少ない文字数の中にそれらを表現しなくてはならなく、非常に難しく感じることでしょう。

ニューヨーク州にあるハミルトン大学の入学副学部長であるNiki Barron氏は「出願エッセイは、白紙の紙に何から書き始めて良いのかわからないと感じる学生が多く、場合によっては彼らにとって最も難しいと感じる入学試験の1つになるでしょう。」と語りました。

出願エッセイを書く際に意識すると良いことは①簡潔であること、②首尾一貫していること③エッセイの内容が出願大学との相性が良いこと、④正直で正確であることです。また出願者は大学側に、自らの知的性と興味を引かせることが出来そうな具体的なエピソードを盛り込む必要があります。草稿から最終原稿に至るまで役に立つ、好印象を与える出願エッセイの書き方のコツを以下に示します。

出願エッセイ入門

専門家によると、出願エッセイを書き始めるのに適している時期は、課題や課外活動が本格化する前で時間的にも精神的にも余裕のある出願の1年前であるとしています。

また早めにエッセイを書き始めることは、早くて11月に早期申込が出来るアーリープログラムに出願するために準備する十分な時間 を与えてくれます。学生はオンライン上で出願する大学のエッセイに必要な条件(文字数制限、エッセイのトピック)などを確認することが出来ます。多くの学生は、約900校の情報が掲載されているCommon Appを利用しています。

いくつかの大学はメインエッセイに加えて、出願者に1つあるいはそれ以上のエッセイの出願を求めてくることがあります。そのエッセイはsupplemental essaysと呼ばれ, それらの中で学生に対し、出願校やそ学びたい学問分野を選んだ理由について書くことが求められることが多いです。たいていの場合はメインエッセイより文字数制限が短いです。

出願エッセイの文字数はどの程度書けばいいのか?

学生が複数の大学に提出できるCommon Appは、メインのエッセイに「厳密な文字数制限はない」と述べていますが、約650字前後であることが通常と示唆しています。

「原則として650字を超えたとしても読むことをやめることはないが、過度に言葉の多いエッセイがあなたの望むように私たちの関心を得るといったことを約束することはできない」とウェブサイト上で述べています。また、特定の大学が要求する補足エッセイの場合の単語数はメインのエッセイと比べるとはるかに短く、通常は約250字です。

出願エッセイのトピックの選び方

エッセイを書く手順の最初のステップは、何について書くべきかを理解することです。このことは時には最も難しいと感じるステップでしょう。通常、大学の申請書から選択するエッセイのプロンプトがいくつかあります。

Barron氏によると、質問は幅広く自由形式の質問である傾向があり、学生はさまざまなトピックについて自由に書くことができます。マサチューセッツ州に本拠地を置く大学入学のアドバイスを専門とする会社であるTop TierAdmissionsの共同創設者であるMimiDoe氏は「入学エッセイは完全な自伝ではないので、学生が今まで経験してきたすべての出来事を盛り込む必要はない。むしろ具体的な経験や趣味、または学生の考え方や価値観、強みなど個人的なことを明らかにして書いた方が良い。その他にも、学生自身のバックグラウンドについても伝わるように書くべき。」と述べます。

学生は誤解することが多々あるが、自らの成功談について述べる必要はなく、日常生活について触れて書けば良いのです。US Newsが取材した入試担当官によると、「より日常的で普遍的なトピックに関して書かれたものエッセイが印象的で高く評価される」と述べています。例として、休日の釣りや登下校、家族との食卓での出来事など、日常的なトピックに焦点を当てています。

専門家によると、出願エッセイにおいて最も重要なことは、思慮深く、学生がどのような人間であるのかといったことが試験官に伝わるようにすることです。

エッセイ作成補助をするCollege Essay Guy Webサイトの創設者であるEthan Sawyer氏は「したがって、学生がどのトピックを選んでも、最終的には自分自身について書くことになる。つまりトピックは学生の内面を知るための道具に過ぎない」と言います。

コネチカットに本拠を置く大学入学アドバイス会社であるWinning Applications and Admissions Checkupの創設者であるStephanie Klein Wassinkは、学生が自身は何者であるかについてのブレインストーミングが自分一人でできない場合は、家族や友人に助けを求めることべきで、学生は仲間や家族に『私を他の人と差別化するものは何か?』または、『私の特徴や癖はある?』など質問することを勧めています。

エッセイでは大学の入学担当官にアクティビティセクション(課外活動などでの実績について)で言及していない、つまりまだ知らせていない学生の個性や特徴についてを伝えるべきと専門家は語ります。

出願エッセイを書いてみる

一部の専門家は、実際に書き始める前にエッセイの概要について知るように促すこともあります。しかし、絶対に正しいエッセイの書き方など存在しない」とアラバマ州にあるバーミンガムサザンカレッジの入学および財政援助副部長であるSara Newhouse氏は言います。

彼女は「エッセイの書き方は本人が決めるべきことであり、学生がこれまでの学校での課題で培ってきたライティングの知識や技術を活かすべきである。最初の原稿は完璧である必要はなく、思うままに書くことをお勧めする。」と述べています。

また彼女は、「書き始めることがなかなか出来ない場合は、試験官の興味を引くことが出来るように、冒頭の文について集中して考えるべきである。例えば、『私は、カフェテリアがクリームコーンを売ることを違法にした日に、政治学を学び始めた。』といった冒頭があるとしよう。このような冒頭を書いた学生のことをもっと知りたいと興味を惹かれることだろう。」と述べた。

一方で、学生が冒頭の文章だけに神経を使い、残りの部分をおろそかにしないかと警鐘を鳴らしています。たとえ、冒頭が平凡なエッセイだとしても、全体的に見て優れていれば問題はないと言います。

出願エッセイを添削・提出

入試担当官はエッセイを通じて学生の内面を知ろうとしますが、同時にライティングスキルも測定しているため、学生はより良いエッセイを提出したいと考えるでしょう。

「最高のエッセイを完成させるには何度も書き直し添削すること。最初に書いた草稿をそのまま提出することは厳禁である。」と専門家は言います。

最初のエッセイ原稿を添削する際、学生は自分の文章が示されていることを確認する必要があります。つまり、学生は単にエッセイを書くのではなく、入学試験官に読まれることを意識して自身の特性や信念を具体的に示す必要があるということです。自身で見直しをした後は、客観的な目線でもう一度原稿を確認するために、他の人に添削してもらうと良いでしょう。

エッセイ作成から添削までのサービスを提供する専門家や会社もあります。しかし、経済的に余裕のない家庭にはこのようなサービスを受けることは負担が大きく難しいように思われます。

そのよう学生のためのエッセイ作成から添削にかかる費用を負担する制度が存在します。例えば、Sawyer氏は低所得世帯の学生に1対1のエッセイ相談の費用を負担してくれる奨学金を提供しています。友人や教師、スクールカウンセラー、また家族にエッセイ添削の手助けを求めるなど、お金をかけなくても可能なエッセイ相談もあります。

Newhouse氏は、「他の人に2段階でエッセイを校正してもらうのがうまくいくコツである」と言います。最初の段階は、エッセイの内容について焦点を当てています。添削する者はエッセイの情報の矛盾点を探す必要があります(おかしいと感じるものは何でもOK)。次にコンテンツが特定されると、2番目の校正段階では、文法、句読点、スペルなどのエッセイの形に焦点を当てます。この際、校正者が本人が書いたエッセイのスタイルを変えてはいけません。第三者に添削してもらうことは良いことですが、第三者に本人のエッセイを書き直してもらうことしてはいけません。

エッセイの準備ができたら、学生は通常、残りの申請書と一緒にオンラインで提出します。例えば、Common Appでは、学生はエッセイをコピーしてテキストボックスに貼り付けます。

Sapp氏は、「学生はよくエッセイを最重視する傾向がありますが、大学入学担当官が見るのはそれだけではない。エッセイは重要だが、入学願書の一部分にすぎない。入学願書にはエッセイ以外の部分も含まれ、それらも等しく重要であることを忘れてはいけない」と述べています。

記事:U.S.News. Kelly Mae Ross, Devon Haynie, and Josh Moody. How to Write a College Essay.

<https://www.usnews.com/education/best-colleges/articles/how-to-write-a-college-essay>