【Digital SAT】デジタルSATについて知っておくべきこととは?

〇はじめに

2024年春より(アメリカ国外では2023年春より)、SATは私たちがよく知っている紙ベースのテストから新しいデジタルSATへと生まれ変わります。新しいテスト形式がどのように点数化されるのか、どのように影響してくるのか気になることでしょう。テストはより難しくなるのでしょうか?それとも簡単、もしくは変わらないのでしょうか?デジタルSATのスコアはどのように算出されるのでしょうか?

 

端的にいうと、SATの内容や評価されるスキルは従来通りですが、点数の算出方法は少々異なります。何故なら、デジタルSATでは新しく”アダプティブテストモデル“が採用されるからです。

 

〇アダプティブテストとは何か?スコアにどのような影響を与えるのか?

アダプティブテストとは、SATの問題を解答する際に、その問題が受験者のレベルにAdapt(適応)されるテスト形式のことです。モジュール 1 で最初の科目の問題に取り組む際、簡単な問題しか解答できていないでしょうか?それとも、難しい問題にも解答できることを示したでしょうか?  受験者が正解した簡単な問題、平均的な問題、難しい問題の数に基づいて、モジュール2はあなたの内容の習熟度とスキルレベルに合った難易度の問題を提供するように調整します。

 

これはどのようなものでしょうか?数学セクションの例を使ってみましょう。最初のモジュールを解き終え、レベルの高い問題をたくさん間違えたとしましょう。そうすると、高レベルの問題を解き続けるのではなく、2つ目のモジュールでは簡単または中レベルの問題が出題されます。これにより、あなたの数学の理解レベルを正確に評価することができます。

 

しかし、知っておかなければならないのは、これが点数にも影響するということです。新しい採点方法では、初めて受験者が解答できる問題の難易度が考慮されます。難易度の高い問題を多く解答すればするほど、数学のスコアは上がります。

 

別のシナリオを想像してみましょう。今度は数学の問題を解いていて、モジュール1ではより難しい問題に答えることができました。すると、モジュール2では難しい問題が出題され、正解すると数学の科目得点が高くなります。

 

これは、新しいデジタルSATの採点方法の最大の変更点であり、可能な限り高得点を獲得するために、最初から最後まで全力を尽くす必要があることを意味します。

 

〇デジタルSATの点数は紙ベースのSATと比べてどのような評価になるのか?

カレッジ・ボードは、新しいデジタルSATの点数は、紙のスコアと同等であると述べています。つまり、紙のSATの1160点は、デジタルSATの1160点と同等ということです。

 

ある意味では、スコアの計算方法は従来のテストと同じです。以下に、どのように同じであるのかを具体的に説明します。

 

まず、素点(raw score)はモジュールごとに正解した問題数です。1問正解するごとに1点が加算されます。不正解によるペナルティはありません。次に、各セクションの素点は、これまでと同じように200点から800点の間で換算されます。次に、全モジュールの素点が合計され、合計点は400点から1600点の間となり、従来のSATと同じ得点範囲となります。

 

しかし、知っておかなければならない違いもいくつかあります。

 

同じ科目が出題されていますが、採点の都合上、リーディングとライティングのセクションは1つにまとめられています。2番目のセクションは数学です。それぞれのセクションには、さらにいくつかの違いがあります。

 

まず、リーディングセクションの変更点に関してです。長いパッセージが短いパッセージに変わりました。また、1つのパッセージにつき10問出題されるのではなく、デジタルSATでは1つのパッセージにつき1問しか出題されません

 

次に数学を見てみましょう。以前は電卓を使うセクションと使わないセクションに分かれていましたが、デジタルSATでは、両方のセクションで電卓を使うことができます!

 

先に述べたように、最初のモジュールでどのように答えるかによって、2番目のモジュールで出題される問題の難易度が決まります。この難易度は、College Boardがあなたの素点をスケールスコアに変換する際に使用するアルゴリズムの決定要因となります。

 

〇デジタルSATの良いスコアとは?

これは非常に難しい質問です。何故なら、一人の生徒が思う「良いスコア」は他の生徒にとっての良いスコアとは限らないからです。良いスコアとは志望校によって異なります。

 

しかし、数学的に言って、何が良いスコアとみなされるのかを見てみましょう。デジタルスコアがどのように良いスコアに貢献するように計算されるかを説明するために、総合スコアが1000点、つまり英語とライティングが500点、数学が500点が平均的だとしましょう。この試験を受ける生徒の半分が高得点で、半分が低得点であるとします。そうすると、SATの総合点は1200点が「良い点数」ということになります。

 

では、SAT1200点を取るには、何問正解すればいいのでしょうか?従来のテストでは、最も単純な形で、数学で600点、英語で600点、さらにリーディングで300点、ライティングで300点が必要です。つまり、各セクションで600点を取るには数学で20問、300点を取るにはライティングで12問、300点を取るにはリーディングで18問間違える可能性があるということです。合計で50問間違えても、1200点という「良い」スコアを獲得することができるのです。

 

デジタルSATでは、ReadingWritingが統合されたため、Reading&Writing600点、Math600点を取ればよいのです。難しいのは、あなたが解答できる問題のレベルに応じて、College Boardがあなたの素点をScaled scoreに変換する際にアルゴリズムを使用することです。より難しい問題に正解すれば、最終的にスコアは高くなります。

 

ご覧のように、スコアはこれまでとほぼ同じように報告されますが、スコアの計算方法はアダプティブテスト形式により異なります

 

〇デジタルSATに関して知っておくべきこと

では、SATで望むスコアを獲得するためにはどうすればよいのでしょうか。一般的に良い受験戦略としてのステップがあります。高得点を取るために役立つ情報源を知っておくことはテストを受ける上で助けになるでしょう。

 

#その1:すべての問題に解答する

誤答してもペナルティーがないことを覚えておきましょう。問題がわからない場合は、その問題を飛ばして、そのセクションの他の問題を解き終わってから、またその問題に戻ることをお勧めします。時間がない場合は、消去法でベストアンサーを選ぶとよいでしょう。推測しなければならない場合は、推測してください!

 

#その2:アルゴリズムをごまかそうとしないこと

最初のモジュールでベストを尽くさないことで、2番目のモジュールの問題を簡単にしようと考えているのならば、試験の意味を理解できていないことになります。点数には、解答できた問題の難易度が反映されることを忘れないでください。簡単な問題ばかりを解いていると、中レベルや高レベルの問題を解いたときほどスコアは伸びません。

 

#その3SATが終わったら、スコアレポートを読む

オンラインポータルで利用できるデジタルSATテスト解釈ツールを使って、どこをどのように改善すればよいかを判断しましょう。これらのツールは、次回のスコアアップのためにもっと勉強や練習が必要な分野を特定するのに非常に役立ちます。

 

#その4:自身のSATポータルをチェックする

受験者のパーセンタイル(あなたの学校、州、全国の他の生徒と比べたあなたの成績)や、セクション別の得点の内訳など、追加のリソースを確認しましょう。自身のオンラインスコアレポートにアクセスするためにこちらのリンクも是非ご活用ください。

 

#その5:スコアが大学入試にどのような影響を与えるのか気になる方へ_大学はデジタルスコアを従来のスコアと同じように評価することが予想されます

スコアの重要性ほぼ同じで、スコアのレポート構造も同じであるため、学校は最低要件の一部として同じスコア範囲を期待します。これらの要件は、大学やカレッジのウェブサイトの入学試験ページで確認できます。

 

#その6:大学側は、スコアはあくまで1つの要素にすぎず、出願 プロセスのあらゆる側面を見ていることに留意する

ほとんどの大学は、SATのスコアに加えて、推薦状、小論文、課外活動、リーダーシップ、地域貢献などを考慮します。

 

〇最後に

初めてデジタルSATを受験した子どもたちを対象とした試験的テストでは、「80%がストレスが少ないと回答した。」とカレッジボードが報告していますので、ご心配なく!より短くコンパクトなフォーマット、より短いリーディング・パッセージ、複合セクションにより、SAT受験はより合理的なプロセスとなるでしょう。

 

出典:Digital SAT Scores Everything You Need to Know

https://blog.prepscholar.com/digital-sat-scores

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