アメリカ留学に必要なTOEFLスコアとは?
はじめに
米国外の受験生が英語を用いて正確にコミュニケーションを取ることが可能か否かを判断するために、米国の大学は、彼らのような非ネイティブスピーカーに英語能力テストのスコアを提出するように依頼することがよくあります。これは一般的に、学部と大学院のどちらのプログラムにも当てはまります。入学希望者には複数のテストオプションがありますが、TOEFL(外国語としての英語のテスト)は、米国の学校で最も広く受け入れられている英語試験の1つです。
非営利団体のEducational Testing Service(ETS)が、TOEFLテストを運営しています。オンラインテスト方式の他に、遠隔地でインターネットが利用できない地域では紙媒体によるテストが実施されています。オンラインベースのテストであるTOEFL iBT では reading, listening, speaking, writingのセクションを各30点満点、合計120点が満点となります。
TOEFLは合格または不合格という判定は出ません。代わりに、多くの米国の大学は独自のTOEFL最低スコア要件を定めています。米国大学を志す受験生は、良いTOEFLスコアとは何点からかと疑問に思うかもしれませんが、その答えは大学ごとに異なります。
アメリカの大学入学のためのTOEFLスコア
全米大学入学カウンセリング協会(National Association for College Admission Counseling: NACAC)の2018年の報告によると、多くの入学担当官は、英語能力テストのスコアが国際的な大学入学の重要な要素であると考えています。
調査対象の大学のうち80.2%が、英語のテストスコアは国際的な新入生の入学決定においてかなり重要である、と述べました。これは高校の成績や大学のエッセイなどの他の要素を上回っています。さらに、難関大学に出願したい学生は、TOEFL iBTで100点以上の点数を取る必要があります。
年次調査で、US Newsに報告されたデータによると、2018年から2019年にかけて、アイビーリーグの8つの大学のうち4つ(ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、イェール大学)の大学で、TOEFLiBTスコア最低100点が必要でした。他の4校-ダートマス大学、ハーバード大学、プリンストン大学とペンシルベニア大学は、この情報に関する報告をしませんでした。
TOEFLスコアの範囲を更に理解するには、試験の各セクションごとの内訳とともに、以下の表を参照してください。
読解力レベル | リスニング能力レベル | スピーキング能力レベル | ライティング能力レベル | |||
上級:24-30 | 上級:22-30 | 上級:25-30 | 上級:24-30 | |||
高中級:18-23 | 高中級:17-21 | 高中級:20-24 | 高中級:17-23 | |||
低中級:4-17 | 低中級:9-16 | 低中級:16-19 | 低中級:13-16 | |||
低中級以下:0-3 | 低中級以下:0-8 | 基本:10-15 | 基本:7-12 | |||
該当なし | 該当なし | 基本以下:0-9 | 基本以下:0-6 |
出典:ETS
TOEFL iBT で100点を取るというのはかなり難しいです。しかし、ほとんどの大学では、志願者にそれほど高いスコアを要求することはありません。
「良いと分類される可能性のあるスコアには範囲がある」と、英語の試験対策コースを提供している団体、カプランインターナショナルの北米事業担当副社長であるダニエル・コバックスは、「大学によってその要件は異なりますが、一般的に、iBTでは60-90点の範囲が良いスコアとみなされるでしょう」と述べています。
2018-2019の最低TOEFL iBTスコア要件をUS Newsに明かした1,224校の平均点は74.4点でした。TOEFL iBTで120点満点を要求したのは、たったの5校だけでしたが、他の大学の中には、45点という低い点数をその要件としているところもありました。
アドラー氏によると、最低スコアは大学ごとでさまざまであるため、米国外からの入学希望者は、興味のある米国大学の要件をそれぞれ確認する必要があります。また、これは学部レベルではあまり見られませんが、一部の教育機関では、TOEFLのセクションごとに最低スコアがもうけられている場合もあります。
英語能力テストのスコアは少し低いが、それ以外の点で強力なアプリケーションを持っている学生には、特別に条件付き入学が認められる場合があります。条件付き入学とは一般的に、学生の英語力を一定のレベルまで高めた後、学位プログラムの方に編入するといったことです。
専門家によると、主に英語を用いて授業が進められる高校に通う学生や英語に慣れ親しんでいるよう国際経験豊かな学生には、英語能力テストのスコアを求めない大学もあります。SATまたはACTで一定のスコアを達成した場合も同様に、その申請者は英語スコアが免除される場合があります。
例えば、ニューヨークにあるコロンビア大学のウェブサイトによると、SATの証拠に基づく読み書きのセクションで700点以上、テストの重要な推論またはライティングのセクションで650点以上、リーディングセクションまたは英語試験で29点以上のスコアを獲得した外国から志願する学生は英語のテストスコアを提出する必要はありません。また、英語を用いて授業が進められる高校に通う学生や英語が母国語である学生もコロンビア大学ではTOEFLスコアの提出が免除されています。
アメリカの大学院に入学するために求められるTOEFLスコア
米国の大学院を目指す海外からの志願者も彼らの英語力の証拠を示さなければなりません。コバックス氏によると、その基準は大学院ごとに異なるため、申請者は指定されているテストの最低スコア要件を確認する必要があるそうです。一部の大学では、TOEFLの最低スコア要件は学部により異なります。
経営学は、多くの留学生が興味を持っている分野であり、一般的に高い英会話能力を必要とする学問分野です。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校経営学部の大学院プログラムの元アシスタントディーンであり、現在はミシガン州立大学の管理者であるジェフ・ビーバーズは「ほとんどのトップクラスのMBAプログラムでは、最低でも100-105点のTOEFLスコアを取得する必要があるでしょう」と述べました。
イリノイ大学では、海外からの出願者が大学院プログラムに完全に入学するためのTOEFL iBTスコアの最低点は103点となっています。大学院のウェブサイトによると、79点から102点のスコアを保有する学生は条件付きで入学できるそうです。
デューク大学の工学修士プログラムなどの一部の大学院プログラムでは、英語のテストの最低スコア要件が記載されていません。しかし、デューク大学はTOEFLで一般的に90以上のスコアを国際的な学生には求めているそうです。入学規定をよりよく理解するために、学生はプログラムのウェブサイトで、近年入学した学生の平均TOEFLスコアに関する情報を探す必要があります。
最後に、コバックス氏は「もし入学したいプログラムが要求するTOEFL点数が高くても落胆せず、めげずに頑張ってください。非ネイティブスピーカーでも十分に到達することができるでしょう」と述べています。
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記事:U.S. News. “What’s a Good TOEFL Score?”
<https://www.usnews.com/education/best-colleges/articles/2018-06-18/whats-a-good-toefl-score-for-us-colleges-graduate-schools>