【SSAT:SSATの採点方法・スコアに関して知っておくべきこと】

〇初めに

SSATの試験内容について理解することは、戦いの半分にしか過ぎません。SSATの採点方法は、試験そのものよりも分かりにくく、混乱を招く可能性があります。
ロースコア?スケーリングスコア?学年別のパーセンタイル?学年と性別のパーセンタイル?これらは全て何を意味しているのでしょうか?

SSATスコアレポートの意味を理解するのに苦労しているのはあなただけではありません。SSATのスコアを理解する上で鍵となるのは、スコアレポートに含まれている情報のうち、重要なものとそうでないものを区別することです。また、中等教育機関がSSATスコアレポートのどのような点を実際に考慮するのかを理解することも重要です。本記事では、これら全ての内容を網羅しています。

注:この記事では、主に、8-11学年の生徒を対象とする上位(Upper)レベルのSSATに関する採点・スコアについて説明します。

Scoring on the SSAT: The Basics:SSATの採点に関する基礎知識

1)SSATの合計スコアは、3つのセクションのスコアから構成される

SSATの合計スコアは以下のセクションのスコアから合算されます。

・SSAT Verbal
・SSAT Quantitative
・SSAT Reading

したがって、上級レベルのSSATのスコアレポートには、厳密には、4組のスケールスコアが表示されます。

1.SSAT Verbal test スコア (500~800点)
2.SSAT Quantitative test スコア (500~800点)
3.SSAT Reading test スコア (500~800点)
4.合計スコア(上記3セクションのスコアの組み合わせで、1500~2400点の間)

※SSATには、Writing Sample(ライティングサンプル)とExperimental section(実験セクション)と呼ばれる2つの追加セクションがあります。これらは採点対象外です。ライティングサンプルはSSATの最初のセクションであり、実験セクションは最後のセクションです。
上位レベルのSSATにおける実験セクションは、16問(Verval、Reading、Quantitativeの組み合わせ)あります。the SSAT.orgによれば、このセクションは「将来のSSAT」のために「新しい問題」を試しているとのことです。

2)SSATでは不正解のペナルティがある

SSATにおいては、受験者は1問正解するごとに1点獲得できます。問題に回答せず空欄にした場合は、減点も加点もされません。しかし、誤答をした場合は1/4点の減点となります

大したことではないと感じるかもしれませんが、塵も積もれば山となります。このような理由から、SSAT受験者には、後述する推測戦略を用いることをお勧めします。

3)SSATのセクションごとのパーセンタイル・ランキングも表示される

SSATのスコアレポートに記載されるのは、スケールスコアだけではありません。受験者は、Verbal, Quantitative, Readingの各セクションの出来に応じたパーセンタイル・ランキングを知ることができます。また、SSAT合計スコアのパーセンタイル・ランキングも表示されます。

このパーセンタイルは、過去3年間(今年は含まない)において、米国/カナダの標準試験日にSSATを受験した同性、同学年の初回受験者内の割合を示しています。この受験者のグループは「規範グループ」と呼ばれ、この規範となるサンプルは、採点が行われるSSAT毎に特有のものです。

強調しておきますが、SSATの「パーセンタイル」は、問題の正答率ではありません。また、同じ日にSSATを受験した他の学生のスコアとあなたのスコアを比較したものでもありません。これはあくまで、指定された規範グループ内の他の受験者とあなたの成績を比べるものです。

では、EMA(SSAT運営団体)はどのようにパーセンタイルを計算しているのでしょうか?EMAでは、ロースコア(raw score、素点)とスケールスコアの両方を使用しています。
ロースコアとは、各セクションの正解数から、誤答1つにつき1/4点を引いたものです。このロースコアは、500~800のスケールスコアに変換されます。そして、このスケールスコアは、1から99までのパーセンタイルになります。

SSATでパーセンタイルが50であるというのは、失敗を意味するわけではありません。ちょうど真ん中に位置しているということです。専門用語を用いて表すと、指定された規範グループ内の中央値であるということです。

ここで、例を挙げてみましょう。
あなたの全体スコアが50パーセンタイルである場合、あなたは規範グループ内の受験者の50%よりも良い成績を収めたということです。同じことが各セクションにも当てはまります。Verbalセクションで70パーセンタイルに位置していた場合、Verbalセクションでは規範グループの70%の受験者よりも良い成績を収めたことになります。

※ほとんどの学校では、入学審査の際に考慮するSSATの平均パーセンタイルを設定しています。多くの学校が、出願書類を審査する際にパーセンタイル・スコアを見ています。

SSAT Scores by Section(セクション別スコア)

SSATではセクションごとに問題数は異なりますが、各セクションにおいて全ての問題の価値は同じです。

〇The Verbal Score (言語スコア)

本スコアは、1つのVerbalセクションの成績によって決まります。Verbalセクションは60問あり、全セクションの中で最も問題数が多くなっています。
内訳は、同義語に関する問題(Synonym questions)が30問、言語の関係性を読み取る類推問題(Analogy questions)が30問となっています。本セクションの最低点は500点、最高得点は800点です。

〇The Quantitative Score (数学スコア)

本スコアは、2つの異なるQuantitativeセクション(各25問)の成績によって決まります。これらのセクションは合わせて採点され、50問から成るQuantitativeの合計スコアとなります。本セクションの最低点は500点、最高得点は800点です。

〇The Reading Score (リーティングスコア)

本スコアは、1つのReadingセクションの成績によって決まります。問題数は40問です。本セクションの最低点は500点、最高得点は800点です。

〇The Writing Sample(ライティング)

SSATのWriting Sampleにはスコアはありません。しかし、回答したエッセイは入学事務局に提出されます。受験者は、25分間で、創造的もしくは非創造的な作文課題に回答する必要があります。

●ロースコア(素点)をパーセンタイルスコアに変換する方法

各セクションのロースコアの算出方法は以下の通りです。

※ロースコア=正解した問題の数-誤答した数/4

SSATでは、上記の方法で算出したロースコアをスケールスコア(500-800点)とパーセンタイル・ランキング(1-99)に変換します。スケールスコアとパーセンタイルは、特有の規範グループのデータに基づいて計算されることを覚えておいて下さい。試験ごとに規範グループが異なるため、あるパーセンタイル・ランキングを得るために必要なロースコアやスケールスコアを正確に特定することは困難です。

SSATは過去にこのことを認めています。
「SSATにおいては、同じスケールスコアであっても、年によって、あるいはテストごとにパーセンタイル・ランキングが異なる場合があります。また、SSATのパーセンタイル・ランキングは他の共通テストのものと比較されるべきではありません。なぜなら、それぞれのテストの受験者は異なるからです。」

ここで例を挙げてみましょう。
Darlaは新9年生で、これまでに2回、SSATを受験したとします。彼女のSSATのQuantitativeセクションのロースコア、スケールスコア、パーセンタイル・ランキングは以下の通りです。

2回目の試験において、Darlaは1回目の試験の2倍の数、問題を間違えました。これにより、4パーセンタイルポイントを失ったに過ぎません。しかし、別の見方をすれば、たった2問多く正解しただけで、初回の試験においては90パーセンタイルを突破したということになります。
これでは頭が混乱してしまいますよね? それはあなただけではありません! 私たちの結論は以下の通りです。

パーセンタイル・ランキングは、受験者がコントロールできるものではないため、あなたができる最善策は、各セクションのロースコアを最大化させることです。これが、各セクションでより高いパーセンタイルを獲得する可能性を高める上で最も安全な方法です。また、受験生には公式SSATを何度か受験することをお勧めします。なぜなら、テストの難易度は試験ごとに変動する可能性があるからです。

Reminder: The 1/4 Point Factorリマインダー:1/4点ペナルティについて

先に進む前に、1/4点の減点ルールの話に戻りましょう。SSATを、「心ゆくまで(答えを)推測できる試験」として扱って推測で回答してしまうと、あなたが本来受けるに値する点数よりも低いスコアを取ることになってしまうかもしれません。

ここで例をあげます。推測家のGabbyと、推測しないSamの2人の生徒を比較してみましょう。2人はReadingセクションを受験し、40問中25問、正解しました。Gabbyは自信がない問題の答えを推測して回答し、Samは飛ばして空欄にしました。残念なことに、Gabbyは運が悪く、推測して回答した問題は全て不正解でした。2人のスコアは以下のような結果になりました。

Gabby: 25問正解、15問不正解→25-15/4→21.75ロースコア→~43パーセンタイル
Sam: 25問正解、0問不正解→25-0→25ロースコア→~57パーセンタイル

2人とも正解数は同じであるにも関わらず、Samは14%も高いパーセンタイルスコアを獲得しました。これは、彼女が分からない問題を飛ばしたからです。
「(わからない問題を)推測するかしないか」というのは、純粋に試験を受けることに慣れている若い学生にとっては難しいことです。しかし、これはSSATの採点方法の仕組みを理解する上で欠かせないことなのです。

Your SSAT Score Report:スコア表について

受験したSSATの種類によって異なりますが、受験者のスコアは試験後3日~2週間でSSATのウェブサイトに公開されます。学生版SSATアカウントにログインして自分のスコアを確認してください。すると、まず、以下のようなスコアの概要ページが表示されます。


source: https://www.ssat.org/about/scores/score-release-and-services

“T Scaled/V Scaled/Q Scaled/R Scaled”の列が何を意味するのか気になるかもしれません。これらは、生徒のSSATの合計スコア(T)、Verbal score(V)、Quantitative score (Q)、Reading score(R)のスケールスコアを表しています。スケールスコアは、主に学校が最も重視するパーセンタイル・スコアを算出する上での中間段階であるため、あまり気にする必要はありません

SSATのスコアレポートから得られる情報はまだあります。メニューを開き、”View Score Report”をクリックしてください。ここでは、各セクションのスケールスコアとパーセンタイル(“SSAT Reference Information”欄)、正答数誤答数空欄数を見ることができます。また、各セクション内の、問題種類別の簡単な内訳も含まれています(例:Readingの「Main Idea」と「Higher Order」)。

Source: https://www.youtube.com/watch?v=3JC_eiEZkyI

最後に、受験者は自分のスケールスコアの範囲(Range)」も知ることができます。これらは、短期間のうちにSSATを再受験する場合に、受験者が取りうるスコアの幅について情報を提供するためのものです。

Frequently Asked Questions:よくある質問

既に、受験者はスケールスコアではなく、パーセンタイル・スコアにより焦点を当てるべきだと説明してきました。ここからは、更に考えられるいくつかの質問に回答していきます。

・各セクションのパーセンタイルと合計のパーセンタイルのどちらがより重要ですか?

―学校は、各セクションのパーセンタイルを考慮する傾向にあります。しかし、教育機関ごとに異なるため、志望校の傾向を確認することをお勧めします。

・自分のSSATスコアが志望校に出願する上で十分であるか否かは、どうすれば分かりますか?

―まず、学校の入学案内ページをご確認下さい。応募者のSSATの平均スコアが載っているかもしれません。しかし、学校は、この情報を必ずしも公開しているわけではありません。情報が見つからない場合や、説明を要する場合は、入学事務局に電話してください。このことに関しては、“good SSAT scores ”のページでより詳しく説明しています。

一方、土地ごとの状況を調べたい場合は、Test Innovators等、学校別のSSATの平均スコアの内訳を示しているサイトがいくつかあります。

SSATは、平均的な学生が50%パーセンタイルをとるように設計されているということを覚えておいてください。SSATの平均スコアが50~60%の素晴らしい学校もあります。しかし、競争力が高い学校SSATの平均スコアが90%以上になっています。

・自分のスコアが平均を下回っていた場合でも、その学校に出願するべきでしょうか?

―決断を下す前に、志望校に確認してください。これは非常に大切です。学校によっては、出願者に対して推奨スコア範囲を設定しているところもあります。しかし、SSATのスコアは全体の判断要素のほんの一部にしか過ぎず、優れた特性や課外活動への参加状況などのほうが、より重要な要素になりうると出願者に伝えている学校もあります。

What Should I Prioritize? Next Steps:【次のステップ】何を優先すべきか

それでは、SSATの受験準備をどのように進めていけば良いのでしょうか。

1)自分が目指すべきスコアを知る

志望校について最大限のリサーチを行い、大まかな目標スコアを把握しましょう。また、SSATの診断テストを受け、自分のロースコアの基準値を把握するのも良いでしょう。SSATの練習教材等についてはこちらをご覧ください。

2)正確性を重視して試験準備を行う

1/4点のペナルティの影響を忘れず、必要以上に得点を落とさないようにしましょう。一般的に良いとされる基準は、各セクション(Quantitativeの場合、両セクション)で誤答数を5問以下にすることです。この戦略は、高いパーセンタイル・ランキングを取るための大きな可能性を秘めています。

3)複数回の受験を計画する

パーセンタイルは、過去3年間の選定されたスコアの集積に基づいた変動データの一部です。また、テストの難易度が違う場合や、どれほど準備をしても本番で本調子が出ないこともあります。そのため、SSAT受験の準備を早めに始め少なくとも2回は試験を受けられるように計画を立てることで、できる限り最高のチャンスを獲得しましょう。

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https://prepmaven.com/blog/preparing/scoring-on-the-ssat/

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