なるべく早く留学して英語や国際感覚を身に着けたい。けれど、どのような留学が良いのか分からない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、スイスにあるボーディングスクールについてご紹介します。
スイスのボーディングスクール
教育水準の高さと美しい自然で有名なスイスには、世界中から生徒が集まるボーディングスクールが数多くあります。グローバル化に伴い耳にすることが多くなった国際バカロレアも、スイスで生まれたものです。
また、スイスは多文化国家で、国内だけでも共用言語は4つ(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)あります。加えて、国連など国際機関の存在や、永世中立国という立場で他国の人々を受け入れてきたことなどから、スイスには言葉も文化も違う人々が集まっています。生徒は、このような多文化の環境で学ぶ中で、異なる背景を持つお互いへの尊重と理解を深め、世界市民として活躍できるような力を身につけていくのです。
スイスは国土の70%が山で、ボーディング・スクールの多くも山の中にあります。湖を一望できる山の上や湖畔にある学校、アルプス山脈のスキーリゾートがすぐ裏という学校もあります。いずれのロケーションでも、スイスが誇る美しい環境と空気を思う存分に楽しむことができるのです。また、ハイキング、クライミング、キャンプ、水上スキー、カヤック、スキーなど、アルプスの山々と湖や川を存分に活用したアクティビティや遠足、遠征を提供しています。
スイスのボーディング・スクールでは、学業・芸術・スポーツ・社会的な活動など、様々な活動に参加することを重要視しています。スポーツなどで身体を動かし、健康な身体を手に入れることで、学習意欲や集中力が増し、成績も上がります。得意不得意は関係なく、音楽や芸術に触れることで創造力を育みます。
そして、奉仕活動などを通じて身近なコミュニティーや社会、世界で起きていることに興味を持ち、理解を深めていくことができます。立派な世界市民として育っていく過程の中で、これら全ての側面を経験することは非常に大切です。
スイスのボーディング・スクールでは、生徒の心と身体がバランス良く成長できるように体育系や文化系の課外活動、美術や歴史などの海外研修旅行、開発途上国での人道的支援活動など、日本ではなかなか経験することのできないような幅広い活動への参加機会を与えています。
出願手続きと選考
入学までにどんなことをすればよいか、おおよその時期とやることの目安は以下の通りです。
時期 | やること |
入学から2年前 | ・学校の情報を集め始める。
→必要な語学力や学力、出願書類、入学試験がどのようなものかなどを確認し、入学までの予定を立てる。 |
入学から1年前 | ・どの学校に出願するか、数校選ぶ。 |
7~8月 | ・必要であればサマーキャンプに参加する。 |
10~12月 | ・必要があれば学校を訪問し、視察する。 |
入学から半年前
(1~5月) |
・面接、入学試験を受け、合格したら入学書類を提出する。 |
9月 | ・入学 |
※スイスのボーディングスクールに出願する際、出願書類の提出に期限はありません。国内生、留学生の入学者数に制限がある場合があるため、なるべく入学前年の年末までに提出するとよいでしょう。
<入学試験>
入学試験は、書類審査、筆記試験、面接が行われる場合が多いようです。これらの内容は以下のようになっています。
・書類審査:成績証明書や推薦状、エッセイ、メディカルレポートなどをもとに審査が行われる。
・筆記試験:英語、数学を受験することが多い。英語は日常のコミュニケーション能力が問われたり、英語で書かれた物語を読み感想を書くことを求められるケースがある。
・面接:学校によってはスカイプでの受験が可能。
留学にかかる費用
スイスは物価が非常に高いことで知られており、特にボーディングスクールに留学する場合は、語学留学や公立学校への留学と比べ多くの費用がかかります。学校やそれぞれの家庭によりかかる合計額は異なりますが、ここではおおよその目安をご紹介します。
・学費、寮費、食費:年間約69,000~120,000スイスフラン(約752万~1,308万円)
・登録料:約500~3000スイスフラン(約5万~32万円)
・デポジット:約8,000~10,000スイスフラン(約87万~109万円)
・保険料:約2,200~3,650スイスフラン(約24万~40万円)
・設備費(初年度のみの場合がある):約2,000~5,000スイスフラン(約22万~55万円)
・制服代:約3,100~3,900スイスフラン(約34万~43万円)
・お小遣い
・航空券代
・休暇中の滞在費
※1フラン=109円(2019年11月15日時点)
これらを合計すると、最低でも約1000万円以上が費用として掛かるでしょう。